こんにちは。「5分会議」(R)を活用し、人と組織を育成する専門家の沖本るり子です。

あなたが、会議やミーティングに参加している時間は、年間でどれくらいでしょうか?

例えば、週に1度の定例会議、1回の会議が60分だとして、1年間では52週ありますから、60分×52回=3,120分間です。

他の会議にも参加するとしたら、さらに時間はプラスされます。さて、この会議に参加している3,120分は、あなたの成長につながっている時間でしょうか?

もし、この時間が、あなたの成長を促す時間だったら、少なくともその会議は無駄ではないでしょう。それどころか、会議が人財育成の時間になれば、今以上に有意義なものになるはずです。

いつも会議が、スキルアップの場になる

会議の風景
Image: Shutterstock

今、マネジメント層は悩んでいます。

なぜなら終身雇用の時代と違い、現場業務を兼務しているプレイングマネージャーも多く、さらに現場の人数も必要最低限に抑えられているから。

その環境の中で、人財育成力が問われるものの、どのようにして人を育てていけばいいのかわからない。

目の前の仕事をこなすのに精いっぱいで、自らのビジネススキル向上のために時間がとれないと頭を抱えている人は多いのです。

そこで、普段行っている会議で人財育成、自らのスキルアップができたら。あえて、部下育成の時間を設定する必要もなく、会議と同時に部下を育成すれば、一石二鳥になります。

会議の役割は何か?

会議は、議論と決定の場。それは間違いではありません。

では、なぜ議論と決定が必要なのか?それは、会社や会社で働く個人が、成果を出し、成長するため。

つまり「会議」には、会社や会社で働く個人が成果を出し成長させるという役割があるのです。

会議の目的は定まっているか?

それぞれの会議には、実施する目的があります。その目的とは事業や組織運営に直結するものばかりです。

例えば、

  1. 決議が必要な会議:終了時に決めるべきことが決まっている
  2. 参加者から意見を聞きだす会議:大勢の人の広い視点の意見をより多く集める
  3. 問題解決や課題解決を行うための会議:解決策をまとめる
  4. 情報共有のために報告・連絡をする会議 など

これらの目的だけではなく、会議の役割が明確になり、会社や会社で働く個人が成果を出し成長させる会議ができれば有意義な会議になります。

ところが、残念ながら会議が無駄に時間を取られるだけのものになり、仕事に対するやる気を下げ、社内の活力を奪っている場合が多くあります。

個人の成長どころではなく、非常にもったいない状況です。

有意義な会議に必要なスキルとは?

アクションプラン
Image: Shutterstock

そんな状況を打破するには、何より会議の目的・目標を明確にし、時間を厳守することです。

主催者が会議を行おうと考えた時、会議の目的や目標の設定ができないと、この時点で、参加者からは無駄な会議と言われるのは目に見えています。

会議の開始時間や終了時間がずるずるでは、参加者全員の時間が無駄になってしまいます。

決められた時間内で、会議の目標を達成させるには、下記のような様々なスキルが必要になります。

  • 会議の時間配分、時間管理をする能力
  • 参加者から意見を聞きだす力・話を聴く力・話を要約する力
  • 参加者全員を巻き込む力
  • 会議がスムーズに行くための段取り力
  • 観察力
  • 賛成意見の伝え方
  • 反対意見の伝え方(人間関係を壊さないためにもスキルの向上は必要) など

他にも、ロジカルシンキング、エモーショナルシンキング、クリティカルシンキング��レゼンテーション力決断力、リスク管理や危機管理力など、あらゆる研修で学ぶビジネススキルや能力が会議には必要なのです。

そこで、これらのスキルや能力を発揮し続けられれば、会議に出ればでるほどそれらの能力は向上するはずなのですが…。

会議が無駄に感じる理由は?

つまらない会議
Image: Shutterstock

不思議なことに場数を踏んでも多くの人たちは成長しないという現象が起こっています。むしろ、その逆で、スキルが低下してしまう場合もあるのです。

例えば、年齢もちょっと上のリーダー格の人の話が、異常にだらだらと長い。さらに、何が言いたいのかわからないという事例。

その年齢なら、会議に参加している場数や時間は20代の部下より相当な長い時間のはず。それなのに、成長どころか悪化しているのは何故でしょう?

目的を持った健全な会議では、参加すればするほど、思考力は強化され、多くの多面的な視点の意見も出てくるはずなのに。

会議に対して目的意識を持たず、固定概念や偏見で凝り固まった思考では、マンネリ化してなかなかアイデアも出てこないのです。

部下の勇気ある意見を否定し続けたり、皆で意見をまとめたのに、遅れてやってきて意見をひっくり返したり…。

そんな内容が続けば、参加者全員が無駄な会議だったといい、会議を“悪”のように感じてしまいます。まったくもってスキルが磨かれるどころではないのです。

無駄な会議を成長の場に変えよう

この状況を打破したいなら、参加者全員が会議を活用して、これらの必要なスキルや能力を向上できる会議の仕組みを作りましょう。

部下だけではなく自分のスキルや能力を向上させるために、会議を人財育成の場にしていく方法を次回からご紹介していきます。

あわせて読みたい

全員がスキルアップできる有意義な会議の進め方とは

全員がスキルアップできる有意義な会議の進め方とは

さようなら、無駄な会議。有意義な時間に会議を変身させる方法

さようなら、無駄な会議。有意義な時間に会議を変身させる方法


沖本るり子(おきもと るりこ)

沖本るり子

株式会社CHEERFUL 代表。1分トークコンサルタント。「5分会議」®で、人と組織を育てる専門家。江崎グリコなどを経て、聞き手が「内容をつかみやすい」「行動に移しやすい」伝え方を研究。現在、企業向けコンサルタントや研修講師を務めている。著書に『生産性アップ!短時間で成果が上がる「ミーティング」と「会議」』(明日香出版社)、『期待以上に人を動かす伝え方』『期待以上に部下が育つ高速会議』(かんき出版)などがある。


Image: Shutterstock