ジリジリと次第に夏の暑さを感じる近ごろ。熱中症に気をつけなければならないだけでなく、暑さゆえ集中力が低下してしまったり、仕事の生産性にも影響を及ぼしてしまいます。

ある研究によると、室温22℃と30℃の環境で作業した場合、30℃の環境では生産性が約9%近くも低下したのだとか!

今後の猛暑に備えて改めて注目したいのが「湿度」。実は湿度をうまく扱うことで、この暑い季節の快適度がグッと高められるんです!

暑さ指数は気温だけで判断できない

暑さの基準として、ニュースでは主に気温が報じられがちですが、私たちの体感に大きく関わるのが湿度

熱中症リスクを判断する暑さ指数(WBGT)も気温だけでなく、「湿度」「日射・輻射」「風」をもとに算出されています。

下の画像は気温と湿度から簡易に熱中症リスクを推定できるチャート。同じ気温でも相対湿度によって熱中症リスクが大きく異なることが分かります。

Image: ダイキン工業
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湿度が20%変われば、体感温度は約4℃変わる

また、ダイキン工業がサーモグラフィを使って実証実験を行なったところ、湿度の変化によって被験者の皮膚温度、そして快適さにも顕著な変化が見られました。

温度28℃/湿度85%の環境で皮膚温度の上昇を確認した後、温度は変えずに湿度を60%に減少させると、12名中10名の手部や顔部の皮膚温度が顕著に低下しました。

主観的感覚では、湿度の低下に伴い、快適性が向上する傾向が確認されました。

Image: ダイキン工業
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同実験を監修した横浜国立大学教授田中英登先生によれば「湿度が20%変われば、体感温度は約4℃変わる」と言われているのだとか。

この実験のように可視化されると、改めて湿度の影響力が実感できますね! 熱中症予防上でももちろん、オンタイムの集中力、作業効率アップにも欠かせない重要な指標だと再認識しました。

温湿度計で数値を可視化してコントロール

ライフハッカー編集部員は、数年前からこちらの温湿度計を愛用。

「みはりん坊」というユニークな名前に対して、気温や湿度から熱中症指数を計算し、注意喚起が必要な数値に達するとアラートを出してくれる優れものです。

その名も「みはりん坊」。夏は熱中症指数、冬は乾燥指数を表示してくれるので(手動でモード切り替え可)一年中大活躍。普段は仕事場兼リビング、就寝前は寝室で気温湿度をチェックしています。
その名も「みはりん坊」。夏は熱中症指数、冬は乾燥指数を表示してくれるので(手動でモード切り替え可)一年中大活躍。普段は仕事場兼リビング、就寝前は寝室で気温湿度をチェックしています。

同商品で温度と湿度を常時観測し、「温度がさほど高くないのに暑い!」と感じた場合は、即座にエアコンの除湿モードをオンにするという。

除湿モードを活用することで、エアコンの設定温度を下げずとも、湿度を低く保つことで充分快適に過ごすことができるそう。

やはり体感温度には湿度がカギになることが実感できるといいます。

また、以前エアコンの設定温度をガンガン下げていたころは身体が冷えて体調を崩しがちでしたが、湿度を調整しはじめてからはコンディション抜群! 仕事の生産性も落ちることなく、一日中快適に作業に集中できているそうです。

冷房・除湿は目的によって使い分けよう

もちろん状況によっては除湿より冷房運転が効果的な場合もあります。重要なのはその時々の目的によって使い分けること。

熱がこもった部屋の室温を下げる場合はまず冷房室温が下がってもまだ不快に感じる場合は除湿に切り替えてみると良いかもしれません。

また、エアコンの仕組みを知り、効果的な使用方法を押さえておくことは節電にもつながります。

Image: ダイキン工業
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ダイキンによる効果的な節電ポイント5つ

  • スイッチのオン・オフは控えめにしましょう
  • 設定温度を下げる代わりに風量を上げてみましょう
  • 「風量自動」で効率的に運転しましょう
  • 風向は「水平」にしましょう
  • 空気清浄機などを活用して空気をかき混ぜましょう

暑いととにかく温度設定を下げがちですが、風量や風向きが適切に調整できていないケースも。

今後、夏本番の暑さになる前のこのタイミングで、今一度エアコンの正しい使い方をおさらいしておくことをオススメします。


「室温は低いのにムシムシする」「気温が下がった夜でも寝苦しい」と感じている方、原因は湿度にあるかも! 自宅や職場の湿度、一度チェックしてみてくださいね。

──2023年7月29日の記事を再編集のうえ、再掲しています。

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執筆&撮影: saori

Image/Source: ダイキン工業(1, 2

Source: Lawrence Berkeley National Laboratory ,Amazon