現在の株式市場がバブルであることを示す3つのチャート…2度の大暴落を予測した「弱気専門家」が指摘

1997年10月28日、パリ証券取引所のデリバティブ市場で、トレーダーが電話で注文を叫んでいる。フランスの優良株指数は9%以上下落し、1987年のブラックマンデー以来、2番目に大きな1日の下落幅となった。

1997年10月28日、パリ証券取引所のデリバティブ市場で、トレーダーが電話で注文を叫んでいる。フランスの優良株式指数は9%以上下落し、1987年のブラックマンデー以来、2番目に大きな1日の下落幅となった。

REUTERS

株価が高騰し、バブルへの懸念が高まると、投資家たちの不安も大きくなる。

しかし、このような懸念は妥当なのだろうか。そうではないという意見もある。UBSのストラテジスト、ジョナサン・ゴラブ(Jonathan Golub)氏が作成したチャートを紹介しよう。同氏は6月初めに顧客向けメモでドットコムバブルとの比較を否定しようとした人物だ。このチャートは、株式市場のパフォーマンス、特に成長株のパフォーマンスを左右する可能性がある10年物米国債利回りが、当時と現在で大きく異なることを示している。

10年物米国債利回りの比較。

10年物米国債利回りの比較。

UBS

一方、悲観的な見方をする人もいる。2000年と2008年の株式市場の暴落を予測したハスマン・インベストメント・トラストの社長、ジョン・ハスマン(John Hussman)氏もその一人だ。

6月23日付のメモで、ハスマン氏は、今日の株式市場が歴史上最も極端なバブルのいくつかと肩を並べるものであることを示す複数のチャートを公開した。

最初のグラフは、ハスマンが最も重視する評価指標である、非金融株の時価総額合計と非金融株の総付加価値の比率を示している。この比率は、2021年と1929年の2つの最高値に近づきつつあり、2000年と2008年の水準を大きく上回っている。

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Hussman Funds

ハスマン氏は、この指標が長期的な市場のリターンを予測できる点で気に入っているという。現在の水準では、今後12年間の S&P500の年率換算絶対リターンはマイナス、同期間の米国10年物国債(リスクフリー)に対する年率換算リターンはマイナス9.8%となる。

2つ目のグラフは、1990年以降、ニューヨーク証券取引所に上場する銘柄の1年間の高値更新率が50%未満、弱気投資家の割合が30%未満であるにもかかわらず、S&P500が5年間の高値を更新した4つの例を示している。

現在を含め、この組み合わせは2000年、2019年、2022年にしか発生していない。

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Hussman Funds

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