ウクライナ、ハルキウの偵察部隊。
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- ウクライナの戦場で小型ドローンが優位だが、その優位性は続かないだろうと、フランス陸軍参謀総長は語った。
- 小型で比較的安価なドローンは、これまでの戦いで大きな成功を収めてきた。
- だが専門家によれば、対策によって小型ドローンの能力は限定されてきているという。
小型の空中ドローンはウクライナの戦場を支配してきたが、フランス陸軍参謀総長のピエール・シル(Pierre Schill)によると、闘いにおける優位性はまもなく失われる可能性がある。
2024年6月19日にパリで行われた国際防衛・安全保障展示会「ユーロサトリ(Eurosatory)」で、シルがその優位性は単に「歴史上の一瞬」だと語ったことをDefense Newsが報じた。
「小型で非常にシンプルなドローンが何の罰も受けずに戦場を飛び回っているのは、過去のスナップショットだ」と、シル参謀総長は語った。
「現在は活用されていることは明らかで、我々は自らを守らなければならない。今日、空中ドローンという意味での剣は、盾よりも強力だ。盾は成長していくだろう」
フランス陸軍参謀総長のピエール・シル。
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ドローンの使い方は変化しそうだ
元イギリス陸軍将校のクリストファー・リンカーン-ジョーンズ(Christopher Lincoln-Jones)は、戦場で小型ドローンを使用することは「盛衰を繰り返す」だろうとBusiness Insiderに語った。
「AIがどんどん進化し、その性能も改善されるにつれ、中型ドローンが小型ドローンよりも主流になるだろう」と、彼は話した。
「小型ドローンは、バッテリー技術がまだ十分ではないという点で限界がある。小型の爆薬や武器を運搬できるが、軍事目標に対しては十分ではない」とリンカーン-ジョーンズは付け加えた。
元イギリス空軍副司令官のクレグ・バグウェル(Greg Bagwell)は、将来における戦場での小型ドローンに関するシルのコメントについて「ある程度の真実味がある」とBusiness Insiderに語った。
「もうすぐその時代は終わると思うが、すでに終わったと言うのは若干の誇張だろう。だが、人々はこの脅威を理解し始めており、運用は難しくなっていく。対抗勢力がより高い地位を持ち始めるのを目にすることになるだろう」と、彼は話した。
ウクライナの最前線における小型ドローン
特にファースト・パーソン・ビュー(FPV、一人称視点)の小型ドローンは、ウクライナにおけるロシアとの戦争のトレードマークであり、両国はそれらを武器として使用している。
FPVドローンは標的に直接誘導できることから、これまでのところ大きな成功を収め、多くの大砲よりもずっと安価で正確性があることを証明している。
NATO当局は4月、直近数カ月間でウクライナによって破壊されたロシア戦車の3分の2以上が、FPVによるものだったと、Foreign Policyに語った。
ウクライナはロシア空軍の補給を妨害する広域な作戦の一環で、ロシアの石油精製所や空軍基地をドローンで攻撃した。
ドローン対策は進化している
リンカーン-ジョーンズとバグウェルは、ドローン対策は進化しており、ますます小型ドローンの有効性は縮小するだろうというシル司令官の警告に同調した。
「信号や映像、GPS信号を妨害するためにあらゆる技術が使われるだろう」とバグウェル元副司令官は語った。
シル参謀総長は、無線、赤外線、レーダーなどの電磁スペクトルを使用した電子戦争は、ウクライナに配備されたドローンの75%をすでに無力化していると述べた。
「通信を暗号化し、直接目視でドローンをコントロールできない限り、電子戦争に対して非常に脆弱だ。司令官の視点ではドローンにどの周波数が使われているか知る必要がある」とリンカーン-ジョーンズは述べた。
だが、ドローン攻撃に対して使われている現在の電子戦争システムには、限界がある。そのようなシステムを使用するとドローンの近くにあるラジオ波や携帯電話などの他の技術を干渉するリスクがあるのだ。
ドローンは依然としてウクライナ軍事戦略の要
防衛システムが増えているにも関わらず、ウクライナでのドローン製造は急増し続けている。同国では200以上の企業がドローンを製造しており、2023年12月には1カ月間でFPVドローンが5万機近く生産されたとフォーブスが報じた。
両国は、電子戦を回避できるAI搭載ドローンの開発に資金を投じている。また、ウクライナは2024年、軍にドローン戦争に特化した部門を配置した世界で最初の国になった。
太平洋評議会(Atlantic Council)の最新の報告書で、ウクライナのドローン戦略は「柔軟性、革新性、ロシアに対する技術優位性を維持する日々の課題に注力し続けているようだ」と述べられた。
フランスのシル陸軍参謀総長は、Business Insiderの取材の要請を拒否した。