![「すきやばし次郎」六本木店・ミシュランの予約困難店でのコース感想](https://cdn.statically.io/img/homasalon.com/wp-content/uploads/2023/05/sukibayasi1-e1683856902894.jpg)
銀座にある「すきやばし次郎」。ミシュランの三つ星店として有名でアメリカのオバマ大統領も味わった鮨店に行ってきました。
すきやばし次郎は2019年に「予約困難」ということでミシュランから外されてしまったというニュースは有名です。
すきやばし次郎の六本木店は、次男の方がのれん分けをされて店主をされているお店で、ここも予約困難店です。
単に親子だからと支店を任されたわけではなく、親方に認められたこそ独立を許されたのですから、「すきやばし次郎のお鮨」を味わうことができます。
目次
すきやばし次郎はミシュラン二つ星の人気店
本店はミシュランから「予約困難」ということで外されてしまいましたが、六本木店は二つ星に指定されています。
原則、海外のお客さんはホテルのコンシェルジュ経由でしか予約が取れません。
すきやばし次郎本店も同じシステムです。
海外のお客さんは無断キャンセルされたとき連絡がつかないことが多く、困ることが多かったからだそうです。ミシュランがどのような予約をしているかは不明ですが、その点も関係あるのでしょうか?
すきやばし次郎の予約は日本人でも1か月前から電話か一部の会員制webで予約するシステムです。
ミシュランの調査員がどのような方々なのか私は知りませんが、かなり平等なシステムです。
すきやばし次郎本店をお父さんと一緒に守る長男の方は、「そんなに予約取れないってわけじゃないんだけどな・・・」っておっしゃっていました。
すきやばし次郎は「本気で食べたい」と思って予約すること
でも、すきやばし次郎の六本木店も予約開始と共にディナー枠は殆ど埋まるすさまじさなのです。
私もずっと話し中で40回以上電話してやっとつながりました。きっとどうしても食べたいっていう根性が予約には必要なのだと思います。
2011年に公開された「二郎は鮨の夢を見る」という映画では、小野二郎さん本人や二人の息子を含むお弟子さんの姿を見ることができます。
徹底した魚の吟味、魚の仕込み、それにこだわる職人の姿が美しいとさえ思えます。
「お鮨はネタ4、シャリ6」とすきやばし次郎の親方は言います。
「どんなにいい魚でもシャリがダメならお鮨は成立しない。シャリとネタをうまく合わせていくのが鮨職人の仕事」と。
すきやばし次郎の弟子たちはその孫の代に当たるまでシャリの特徴を引き継いでいることが多いです。
病みつきになる「すきやばし次郎」のシャリ
米酢で酸がビシッと効いた「すきやばし次郎」のシャリ。
このシャリが「すきやばし次郎」のお鮨の特徴です。
これまた酸がビシッと効いたガリも美味しいのですが、その酸が必要ないほどシャキッとしたお鮨です。まずはおまかせで一通り握りが出てきます。
そのおまかせという「鮨屋のコース」も、すきやばし次郎本店の親方が考え出したと言われています。
ネタの味の強弱やバランス、を考えて握りが出されます。
緩急がついたお鮨のコースは美味しく、どんどん食べ進めることができます。
「舌先三寸」と親方は言います。
だいたい人の舌は三寸(7~8cm)なので、一口で乗るくらいの大きさのお鮨が良いと。
舌全体でいろんな味覚を感じて味わってほしいと。
ですから、人によって少しずつお鮨の大きさを違えているのです。
また、ネタに合わせて握りの柔らかさも絶妙に変えています。
それが、そんなネタでもすんなりと口に入れることができ、ネタとシャリのマリアージュをしっかりと味わうことができるのです。
鮨屋になると決めた時から親子ではなくなった
すきやばし次郎六本木店の親方は、「鮨職人になると親父に行った時から親子ではなく、親方と弟子になった。」とおっしゃいます。今、二人の息子さんが六本木店で修行をされていますが、その息子さんたちのことも「もう、親子ではない」ときっぱりと言い切ります。
お鮨は、お刺身を握りと合わせるとても簡単そうに見えるお料理です。
しかし、すきやばし次郎のお鮨はとても素晴らしい味わいです。
それは、フレンチの巨匠も認めた事実なのです。
フレンチの巨匠ロブションと「すきやばし次郎」
恵比寿のジュエル・ロブションはピザーラを運営するフォーシーズが運営
— 廣川 航 (@hirokawa_style) May 9, 2021
ジョエル・ロブションといえば、東京女子図鑑で「30歳になるまでにデートで行けたらイイ女」といわれてました pic.twitter.com/QokGuCWyYV
フレンチの三ツ星シェフ、ジュエル・ロブション。
単なる三ツ星シェフではなく、フレンチの世界に君臨する巨匠です。
実は、ロブションは、お鮨は単に刺身を乗っけるだけの「簡単な、シンプルな料理」と言って、ある意味「馬鹿にしていた」と言われています。
しかし、すきやばし次郎のお鮨を食べた時、そのすばらしさに感動し、「シンプルを極めるとピュアになる」という言葉を残したそうです。
その時芽生えた、ロブションと本店親方の友情は今も脈々と続いています。
すきやばし次郎本店の味と心意気を引き継ぎながら、新しいお店として進化させます。
六本木店の親方は、支店を任された時は本当にお店をやっていけるかどうか不安だったそうです。
その時、父、いや親方は、「できない奴にはやらせない。できるからやらせるのだ。」とおっしゃったそうです。
そして、今、完璧に「すきやばし次郎の味」を守って、さらに進化させています。
ともすると緊張する高級鮨店、それも「すきやばし次郎」です。
でも、お客さんを飽きさせない接客、そして、よく教育されているお弟子さん。
カウンターに座ると、本店ゆずりの熱々のおしぼりがさっと出てきます。
「本店よりも、六本木店が好き」というお客さんもいるほどです。
すきやばし次郎の本店と支店、二つのお店は仲間でありライバルです。
どうしても本店と比べられる六本木店。
そして、親方である小野二郎と共に本店を守る長男。
それぞれ、難しい立場でありながら二人は「鮨を極める」という意思でつながっています。
お二人でいらっしゃるところに出くわしたことがあるのですが、それは、それは名コンビでした。
巨匠の父を親方と仰ぎ、二人で修行を積んできたからこそ、通じあう兄弟なのだと改めて感じました。
すきやばし次郎で究極のお鮨を味わってもらいたいです。
世界のグルメがあこがれる「すきやばし次郎」。
本店ならずともそこに「次郎の鮨」がある六本木店。
本店と同じく予約困難ですが、ぜひ頑張って行ってみてください。