使いたいときに短時間でお湯を沸かせる電気ケトル。たとえば、カップ1杯分ならば約1分で沸かすことができますので、コーヒーやお茶の1杯、またはインスタント食品の調理用などにも役立ちます。

そんな手軽さに加え、近年は保温機能が充実した製品も増えてきていますので、従来の1回ごとに沸かすというイメージは薄れつつあります。また、デザイン性に優れ、カラーバリエーションが豊富な製品も多く、インテリアとしても楽しめる製品も多いでしょう。

今回は、納得がいく電気ケトルを選ぶために知っておきたい、電気ポットとの違いや、光熱費の目安、人気メーカーごとの特徴を家電ライターとしてご活躍中の秋葉けんたさんにもご協力いただき、まとめました。

後半にはおすすめの電気ケトルも紹介していますので、ぜひ選ぶときの参考にしてみてくださいね。

なお、以下の表示価格は変更の可能性もありますので、販売ページをご確認ください。

■監修者


kentaakiba

秋葉けんたさん:編集プロダクションマイカに所属。雑誌や専門誌のライターとして活躍。 家電やIT全般の執筆を得意とし、書籍、新聞、業界誌やWebコンテンツ、オウンドメディアなど多方面にコンテンツを提供。

電気ケトルとは

電気ケトルは、電気を使って熱を発生させ、お湯を沸かします。電気式のやかんと考えると分かりやすいでしょう。「使いたい分だけを沸かす」ことを目的につくられているため、ガスコンロや電気ポットよりも短時間かつ低コストでお湯を沸かすことができます。

消費電力1,300W程度の場合、カップ1杯を1分弱で沸かすことができるほど速いです。沸騰までの所要時間は、消費電力で決まります。製品による違いはほとんどありません。

電気ポットとの違い

電気ポット 電気ケトル
特徴 熱を逃がさない構造のため、保温できる 沸騰までのスピードが速い 毎回使い切ることを前提とする
保温時間 長時間 ないor短時間
本体サイズ 大きく重い 小さく軽い
使用シーン 同じ場所に置いて使用 持ち運びにも対応

1L分のお湯を沸かす場合

電気ポット(2.2L) 電気ケトル(1.2L)
沸騰時の消費電力 1,300W 1,300W
沸騰までにかかる時間 15分 6分
1回の沸騰にかかる電気代 8.775円 3.51円
保温時の消費電力 30W -
1日10時間保温 8.1円 -

なお、都市ガスを使用する場合は約2.2円と、計算上はもっとも安い結果になります。ただし、やかんの素材や火の強さ、沸かしすぎや沸かしたりないための再加熱などを考えると、実際にはさらにガス代が高くなる可能性も考えられるでしょう。

※1kWhあたりの電気代を27円として計算※都市ガス 125.95円/m3(例:東京ガスを1カ月あたり0m3から20m3まで使用の場合)

電気ケトルの選び方

用途と容量で選ぶ

用途 適した容量 注ぎ口の形状
コーヒーをよく飲む マグカップ一杯が約250ml。500mlあれば十分。 コーヒードリップ用の細い注ぎ口を選ぶとハンドドリップがしやすい。
カップ麺をよく食べる 一人分が400ml。二人暮らしで一緒に食べるなら800mlなどがベター くちばし型かやかん型
料理の時短に使う 1L以上 やかん型(早く大量に注げる)
麦茶などをつくる 1.2L以上(1.8Lなどもあるため、使用するお茶の容器を踏まえて検討するとベスト) くちばし型かやかん型。容量同様、容器のサイズや形状に合わせると良い

素材で選ぶ

メリット デメリット
ガラス ・透明なボディがオシャレ
・インテリアになる
・水の量、湯沸かしの状態が確認できる
・ニオイ移りが少ない
・衝撃に弱く、落とすと割れる
・重い
・中が見える分、汚れが目立つためこまめなお手入れが必要
ステンレス ・耐久性が高い
・錆びにくい
・保温性が高い
・汚れを落としやすくお手入れが簡単
・価格が高い
・熱伝導性が高いため、加熱中の本体も熱くなる。やけどに注意が必要
プラスチック ・本体が軽く、片手でも保つことができる
・本体価格が安い
・本体温度が上がりにくく、やけどのリスクも少なめ
・製品によっては、プラスチック特有のニオイが残る
・耐久性が低く、傷がつきやすい
・こまめにお手入れをしないとカビなどが発生しやすい

その他便利な機能で選ぶ

機能名 内容
転倒湯漏れ防止 ふた部分に給湯ロックの機能が搭載されていると、本体が倒れたときにも、熱湯がこぼれることがなく安心です。小さなお子さんやペットのいるご家庭には必須。
二重構造 本体表面が高温になることを防いでくれます。特に熱伝導性の高いステンレスの電気ケトルを選ぶ場合は、二重構造モデルを選んでおくとやけどリスクを軽減できます。
保温機能、温度調節機能 複数回に分けてお湯を使いたい場合、ミルクづくりや緑茶などお湯の温度を調節したい場合に便利です。ただし、電気ポットのような長時間保温には向いていません。
空焚き防止機能 すでに水を入れたと勘違いし、空の状態で電源をONにしてしまうと、電気ケトルの故障や火事につながる危険性があります。空焚き防止機能搭載モデルであれば、自動で電源をOFFにしてくれます。
蒸気レス お湯を沸かす際に発生する蒸気をできるだけ抑えてくれる機能です。蒸気でやけどする心配がないほか、蒸気が当たる部分のカビ発生などを防いでくれます。
お手入れのしやすさ ふたが取れるタイプ、給水口が大きいタイプなど、スポンジと手が入る形状の場合、お手入れが楽です。また注ぎ口は、ラーメンの汁などが飛びやすい部分のため、洗いやすさにも注意しましょう。

人気メーカーとその特徴で選ぶ

・ティファール

フランスに本社のある調理器具メーカー。世界で初めてコードレスの電気ケトルを開発したのが、ティファールです。軽量タイプ、丸洗いできてお手入れが簡単なタイプ、安全性を重視したタイプなど、バリエーションが豊富な点が特徴です。

・デロンギ

イタリア発のメーカー。調理器具のほか、暖房器具なども販売しています。ヨーロッパらしいスタイリッシュなデザインと、鮮やかなカラーが目を弾きます。耐久性の高いステンレス製が多いため、ひとつのアイテムを末長く使いたい方にもおすすめです。

・バルミューダ

2003年設立の日本メーカー。スチーム付きのトースターをはじめ、炊飯器、オーブンレンジ、空気清浄機など、幅広い分野にて高性能な家電を生み出しています。バルミューダの電気ケトルの注ぎ口は、お湯の注ぎやすさにこだわったデザインとなっています。使い勝手とインテリアを併せ持ったアイテムです。

・タイガー

ポットや水筒などのアイテムを多数販売しているメーカー。電気ケトルに関しても、保温性を重視したアイテムが多く、安全性と使いやすさに関しては特に力を入れています。タイガーの電気ケトルには、基本的に転倒湯漏れ防止機能が搭載されています。そのため、小さなお子さんや高齢者、ペットがいるご家庭には特におすすめです。

電気ケトルおすすめ10選

コスパ重視、一人暮らしにおすすめの電気ケトル

●ティファール パフォーマ

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取っ手の下にあるスイッチを押すだけで、カップ1杯分(140ml)を1分以内で沸かせます。一人暮らしや少しだけお湯が必要なときにも便利です。軽量コンパクト&シンプル機能で、価格もリーズナブルで、ティファール愛用者からは満足度99%の評価も得ています。沸騰後の自動電源オフや空だき防止機能が搭載されているため、安全面も優秀です。

サイズ(約) 幅16.0×奥行22.0×高さ19.0cm
重量(約) 1.1kg (ケトル本体のみ:0.75kg)
容量 0.8L
素材 ポリプロピレン
消費電力 1,250w
対応機能 自動電源オフ・空だき防止
注ぎ口の種類 くちばし型

コスパ重視、二人~ファミリー層におすすめの電気ケトル

●ティファール KO8001JP

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ティファール独自の防止構造(IPX5)により、ケトル部分を丸洗いできるため、常に衛生的な状態をキープ!給水口のフタを取り外すことができるため、日常のお手入れもラクラクです。空だき防止+自動電源オフ機能搭載で忙しい朝も、うっかり水の入れ忘れを防いでくれます。

サイズ(約) 幅22.0×奥行15.5×高さ20.5cm
重量(約) 1.1kg (ケトル本体のみ:0.885kg)
容量 0.8L
素材 抗菌素材「マイクロバン」
消費電力 1,250W
対応機能 自動電源オフ・空だき防止
注ぎ口の種類 くちばし型

おしゃれなデザインで高コスパ!おすすめの電気ケトル

●バルミューダ BALMUDA The Pot

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デザイン性が高くコンパクトなので、ひとり暮らしを始める方にもおすすめ。注ぎ口が細いため、注ぐお湯の量を一定に保つことができます。コーヒーや紅茶、日本茶の淹れ方にこだわりたい方も満足できるデザインといえるでしょう。

また、洗いにくい細口部分もステンレス製のため、常に清潔をキープできるのも魅力のひとつです。カラーバリエーションはホワイトとブラックの2色が用意されています。

サイズ(約) 本体のみ :幅 269mm × 奥行き 128mm × 高さ 170mm
電源ベース込み : 幅 269mm × 奥行き 142mm × 高さ 194mm
重量(約) 本体 : 約0.6kg 電源ベース : 約0.3kg
容量 0.6L
素材 本体:ステンレス フタ、取っ手:ポリプロピレン
消費電力 定格 1,200w
対応機能 空だき防止機能、自動電源OFF機能
注ぎ口の種類 細口 コーヒードリップ用

●デロンギ アイコナ・ヴィンテージ KBOV1200J-BG

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レトロな色合いでデザイン性が高いため、キッチンのインテリアとしても活躍してくれます。注水口部分が広く、中まで洗えるためお手入れがしやすいのも魅力のひとつです。取っ手側に目盛付きの水量計があるため、中に入っている水の量が分かりやすいのもポイント。

サイズ(約) 幅210×奥行165×高さ235
重量(約) 1.1kg(電源ベース含む)
容量 1.0L
素材 ステンレススチール、PP
消費電力 1,200w
対応機能 自動電源オフ・空焚き防止
注ぎ口の種類 くちばし型

●アイリスオーヤマ ricopa IKE-R800

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コスパの高さとかわいらしさを両立した電気ケトルです。カラーバリエーションはアッシュピンク、アイボリー、アッシュブルーの3色。お湯を注ぐときにもフタが外れにくい構造(ロック付き)のため、使い勝手も抜群です。自動電源OFF機能、空焚き防止機能など、安全性への配慮の高さも選ばれる理由のひとつです。

サイズ(約) 電源プレート含む:幅約15×奥行約19×高さ約26
電源プレート含まず:幅約13.5×奥行約19×高さ約24.5
重量(約) 電源プレート含む:約0.8kg
電源プレート含まず:約0.6kg
容量 0.8L
素材 ステンレス ポリプロピレン
消費電力 1,200w
対応機能 自動電源OFF機能・空だき防止機能
注ぎ口の種類 くちばし型

●レコルト クラシックケトル リーブル

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クラシックなデザインが特徴的な電気ケトルです。どんなキッチンのインテリアにもマッチしてくれます。使いやすい注ぎ口の形状は、コーヒーのドリップにも最適。1000Wで沸かすため、0,8リットルを5分程度で沸騰させることができます。

サイズ(約) 幅22.8 × 奥行13.2 × 高さ21.2cm
重量(約) 720g
容量 0.8L
素材 ステンレス、PP(ポリプロピレン)
消費電力 1,000w
対応機能 自動電源オフ・空焚き防止
注ぎ口の種類 細口ノズル

沸かすスピードを重視したい方におすすめの電気ケトル

●タイガー PCK-A080

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1,300wのパワーでスピード沸騰45秒!2019年5月現在、業界最速スピードを誇るタイガー電気ケトル。さらに従来製品と比べ、湯沸かし電力を約22%カットし、節電にも注力しています。少しだけ、すぐに沸かしたいときにも、ムダなく加熱可能です。もちろん、蒸気レス、転倒お湯もれ防止構造など安全面への配慮もしっかり行われています。

サイズ(約) 幅15.9×奥行25.0×高さ22.0cm
重量(約) 1.1kg
容量 0.8L
素材 ステンレス鋼
消費電力 1,300w
対応機能 蒸気レス・転倒お湯もれ防止構造・節電沸とう
注ぎ口の種類 くちばし型

機能性を重視したい方におすすめの電気ケトル

●ヤマゼン YKG-C800

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60〜100℃まで1℃刻みで温度調整でき、自分好みの温度でコーヒーやお茶を淹れることが可能な電気ケトルです。最大60分の保温機能も大きな特徴のひとつ。細口ノズル採用により、注ぐ際のお湯の量を一定に保つことができます。

サイズ(約) 幅28.5×奥行19×高さ24cm ケトル・電源プレートセット時
重量(約) 約980g (ケトル・電源プレートセット時)
容量 0.8L
素材 -
消費電力 1,000w
対応機能 60分間の保温機能・1℃単位の温度調節可能
注ぎ口の種類 細口 コーヒードリップ用

●アイリスオーヤマ IKE-D1000T-B

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コスパの高さに定評があるアイリスオーヤマ。中でも今回のアイテムは、5度刻みの温度調整機能が備わっています。そのため、お茶やコーヒーなど、飲み物に応じて最適な温度でお湯を沸かすことが可能です。また、フィルターは取り外しができるため、お手入れもカンタンに行えます。

サイズ(約) 電源プレード含む:幅約22.5×奥行約22.3×高さ約22.5
電源プレード含まず:幅約21.5×奥行約13.6×高さ約19.0
重量(約) 電源プレード含まず:約0.6kg
容量 1.0L
素材 ステンレス、ポリプロピレン
消費電力 1,200w
対応機能 空焚き防止
注ぎ口の種類 くちばし型

●ティファール ジャスティン プラス コントロール 1.2L

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飲み物に合わせて7段階の温度設定が選べるほか、60分の保温が可能。一目で湯量を確認できるメモリ付き窓も便利です。

サイズ(約) 幅 160×奥行210×高さ230mm
重量(約) 1,150g(電源プレート含む)
容量 1.2L
素材 プラスティック
消費電力 定格 1,250w
対応機能 60分間保温・自動電源オフ
注ぎ口の種類 くちばし型

安全性が高く、お子さんやペットがいる家庭におすすめの電気ケトル

●タイガー PCK-A080

Image: Amazon.co.jp

蒸気を外に逃さない「蒸気キャッチャー構造」のため、子どもがいる家庭でも安心です。また、ステンレス製の内容器、鋼板ケースの本体二重構造のチカラで、本体が熱くなるのを抑えてくれます。さらに、保温効果もバッチリ。140mlを約45秒で沸騰させてくれる、節電沸とう機能もうれしいポイントです。子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門において、キッズデザイン賞を受賞した製品です。

サイズ(約) 幅15.9×奥行25.0×高さ22.0cm
重量(約) 1.1kg
容量 0.8L
素材 ステンレス鋼
消費電力 湯沸かし時 1300w
対応機能 蒸気レス・転倒お湯もれ防止構造・節電沸とう
注ぎ口の種類 くちばし型

まとめ

ガスコンロや電気ポットに比べ、短時間かつ低コストでお湯を沸かすことができる電気ケトル。用途と容量をベースに、予算やそのほかに求める機能を組み合わせて選ぶことで、より満足度の高い買い物ができるはずです。ぜひこの機会に、自分にぴったりの電気ケトルを見つけてみてはいかがでしょうか。


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