花粉やホコリの除去、ウイルス対策など、空間をキレイにするために役に立つ空気清浄機。在宅ワークなど、家で過ごす時間が増えた方にとっては、特に重宝するアイテムのひとつといえるでしょう。
また、すでに空気清浄機をお持ちの場合でも、寝室や子ども部屋、トイレといった小さなスペースに2台目以降を設置するケースが増えています。
現在の小型清浄機は、持ち運びがしやすいメリットはそのままに、多様な機能を持ち合わせています。しかし、後悔しない買い物をするためには、サイズやフィルターの種類、メンテナンスのしやすさなど、購入前にチェックしておくべきポイントがたくさんあります。
今回は、家電ライターとしてご活躍中の秋葉けんたさんにご協力いただき、小型空気清浄機の選び方やメーカー別の特徴を解説しています。おうちにぴったりの小型空気清浄機選びにお役立てください。
なお、以下の表示価格は変更の可能性もありますので、販売ページをご確認ください。
■監修者
秋葉けんたさん:編集プロダクションマイカに所属。雑誌や専門誌のライターとして活躍。 家電やIT全般の執筆を得意とし、書籍、新聞、業界誌やWebコンテンツ、オウンドメディアなど多方面にコンテンツを提供。
■目次
・サイズで選ぶ
・メンテナンスのしやすさで選ぶ
・静音性で選ぶ
・適用床面積で選ぶ
・フィルターで選ぶ
・+α機能で選ぶ
・シャープ
・ダイキン
・パナソニック
・アイリスオーヤマ
・日立
・機能性に優れている、おすすめの空気清浄機
・コスパが良い、おすすめの空気清浄機
・おすすめの卓上空気清浄機
空気清浄機の選び方
サイズで選ぶ
ワンルームや1Kに空気清浄機を設置する場合、コンパクトサイズがおすすめ。卓上タイプの場合、あらかじめデスクの大きさを考慮し、邪魔にならないサイズを選びましょう。現在は充電式やUSB式など、卓上で使いやすいタイプも多く存在しています。
メンテナンスのしやすさで選ぶ
フィルター交換の有無
空気清浄機の中には「10年間交換不要」とうたわれているタイプも存在します。しかし、空気清浄機の中には、さまざまな種類のフィルターが組み入れられているため、メンテナンスが必要なフィルターの有無をよく確認しましょう。 また、設置場所により、空気の汚れの度合いは異なります。フィルターの掃除頻度により、交換時期が早まるケースも少なくありません。フィルターの寿命が短い場合、ランニングコストがかかる点に注意しましょう。
自動掃除機能の有無
フィルターの中でも、脱臭フィルターや集塵フィルターは長期交換不要となっているモデルが多いです。しかし、プレフィルターは一般的に数週間に1度のペースで掃除する必要があります。 ただし、最近はプレフィルターを自動で掃除する機能が備わっているモデルもありますので、メンテナンスの手間を減らしたい人は、自動掃除機能の有無をチェックするのがおすすめです。
静音性で選ぶ
リモートワークなど自宅の作業部屋に置く場合や、静かな環境を好む人にとって、運転音は気になるポイントのひとつでしょう。静音モードを搭載したモデルの場合、運転音を抑えてくれます。購入前に、必ず音の大きさを表す「dB(デジベル)」を確認することが大切です。
適用床面積で選ぶ
適用床面積(目安)とは、たばこ5本分の煙に含まれている粒子やガスを30分で浄化できる部屋(天井の高さ2.4m)の広さを表しています。※(一社)日本電機工業会規格(JEMA1467)にて規定
8畳の部屋に設置する場合、適用床面積12畳であれば安心と思いがちですが、適用床面積の計算方法は「使用する部屋の大きさ(畳数)×2」です。8畳の場合、最低でも2倍の16畳、よりスピーディに浄化したい場合、3倍の24畳モデルを選びましょう。
一般的に適用床面積が大きいモデルを選んだほうが、空気清浄力は上がります。しかし、適用床面積が広い空気清浄機ほど、高額かつ大型になる傾向があることを忘れてはなりません。空気清浄力を重視する場合には、大型モデルを検討するのもひとつの方法といえるでしょう。
フィルターで選ぶ
花粉やハウスダストなどは、ニオイの物質よりも粒子が大きいため、フィルターは目的別に選ぶのがおすすめです。
さらにHEPAフィルターの中でも、0.1~2.5μmの粒子を99%キャッチできるフィルターは「PM2.5対応」とうたうことができます。
ただ、最近では空気をキレイにするための「除菌脱臭機」というものも登場しています。これは、フィルターではなく光触媒を使うタイプです。室内の空気をキレイにするための方法として、フィルターに吸着させる以外の機器も、併せてチェックしてみると良いでしょう。
+α機能で選ぶ
ニオイセンサー搭載
部屋に充満する生活臭をセンサーが察知し、取り除いてくれる機能です。体臭、料理臭、生ゴミ臭のほか、ペットのニオイなども素早く感知して脱臭します。
ホコリセンサー搭載
ホコリセンサーは、空気中のホコリを検知してモードを切り替え、素早く吸収する機能です。ホコリだけでなく、花粉やダニの死骸、ハウスダストなどにも対応可能です。
除湿・加湿機能搭載
空気清浄に加え、除湿・加湿で湿度を自動で整えてくれる機能です。特に乾燥が気になることの多い冬に重宝されます。
人気の空気清浄機メーカーの特徴
各メーカーによって、さまざまな特徴のある加湿器。メーカーごとの特徴について、まとめてみました。
シャープ
「プラズマクラスター」が有名です。除菌効果だけでなく、ウィルス抑制機能や脱臭機能などを備えたモデルが多いのも特徴。サイズ展開が豊富で、置く場所に合わせて選ぶことが可能です。
ダイキン
強い風量で空気清浄機の内側に集め、電気の力で99%分解・除去する高速ストリーマが大きな特徴のひとつです。早くから空気清浄機を取り扱っているメーカーであり、フィルターと電気集塵と併用する方式を採用しています。
パナソニック
独自の「ナノイー」を放出し、ウイルスや除菌の効果を高めます。イオンが長寿命で、肌への保湿効果も期待できます。スタイリッシュなコンパクトタイプが多め。バリエーションが豊富で、選択肢が多いのも特徴のひとつです。
アイリスオーヤマ
生活雑貨から家電まで、使い勝手の良い製品をリーズナブルな価格で販売し続けています。リーズナブルな価格帯中心ながら、HEPAフィルター搭載モデル、静音モード搭載モデルもあり、一人暮らしに最適です。
日立
コンパクトなタイプから多機能タイプまで幅広く展開しているメーカーです。フィルターの自動掃除機能があるモデルが多く、脱臭力を特徴とした製品も豊富です。
小型の空気清浄機おすすめ12選
機能性に優れている、おすすめの空気清浄機
●ダイソン Dyson Pure Cool Me
ダイソンから発売された個室・一人暮らしに最適なシリーズ。従来の「Pure Cool」のコンセプトである「扇風機と空気清浄機を合体させる」を受け継ぎながら、よりコンパクトなモデルを実現。重量2.8kgと部屋間の移動もラクラクです。キッチンや洗面所、子ども部屋などに置くのも良いでしょう。
さらにHEPAフィルターと活性炭フィルターの組み合わせでPM0.1の微細な粒子を99.95%除去します。花粉やニオイ、ウイルスまでしっかり捉えてくれるため、常に清潔な空気をキープ。メンテナンスも容易です。
●シャープ FU-NC01
2021年1月新発売の製品です。円柱型構造で、360度空気を吸い込んでくれます。吹き出し口からは、もちろんプラズマクラスターを放出。空気をキレイにしてくれます。玄関やペットケージ横にも設置できるコンパクトサイズが特徴。弱の場合の運転音は22dBとかなり小さめなので、就寝時にもおすすめです。
●カドー LEAF Portable
持ち運びできる空気清浄機とテーブルランプとしての2つの機能を持ち合わせた日本メーカーの製品です。フィルターはワンタッチで交換できます。メンテナンス性の高さも特徴です。500mlペットボトルとほぼ同サイズのため、車のドリンクホルダーにも収まります。USB コードとカーDC アダプターに対応しているため、使う場所を選びません。
●マクセル 除菌消臭器「オゾネオプラス」MXAP-APL250
低濃度オゾンを使った除菌脱臭器。モーターやファンなどを使用していないため、動作音が静か。寝室やリモートワークの部屋でも使えます。本体は約620gと軽量で設置性の高さも特徴です。
●ブルーエア Blue Pure 411
PM2.5やホコリ、花粉などのアレル物質を除去。360度の空気を吸い込み、空気を清浄してくれます。最も運転音の静かな製品と認められた証であるQuiet Markを取得しており、寝室にも最適です。デザイン性が高く、設置場所を選びません。
●ダイキン MCK40X-W
スリムタワー型のシンプルなデザインが特徴の空気清浄機です。加湿量400mL/時のパワフル加湿機能が搭載されています。もちろん、加湿しても正常能力が低下することはありません。ダイキン独自のストリーマ機能も特徴のひとつで、ニオイをフィルターに吸着させ分解するため脱臭力が持続します。
●カルテックKL-W01
光触媒技術を使い空気を清浄。8cmの薄型壁掛けはデザイン性が高く、スタイリッシュな部屋にもぴったりです。フィルター交換不要のため、メンテナンスもラクラク。運転中は常にLEDが点灯しているため、セルフクリーニング効果で触媒の効果は半永久的に持続します。光触媒技術を専門に扱う日本メーカーの製品です。
●カルテックKL-B01
光触媒技術を専門に扱う日本メーカーの空気清浄機です。消灯時も24時間除菌・脱臭が可能です。人感センサー搭載で、自動オン・オフが可能。家庭用照明に使用できる電球型(口金E260のため、設置もカンタンです。トイレやワンルームキッチン、洗面所やクローゼットなど、さまざまな場所に対応可能です。
コスパが良い、おすすめの空気清浄機
●アイリスオーヤマ IAP-A25-W
弱・中・強・おやすみの4つの運転モードを搭載した、使い勝手の良いコンパクトモデルです。フィルターのお手入れ時期になると、掃除ボタンが点灯して知らせてくれるため、常に適切な時期にメンテナンスを行えます。
光る底面は、オシャレなインテリアアイテムとして部屋を彩ってくれるでしょう。
おすすめの卓上空気清浄機
●ツインバード AIR BOTTLE
USBで充電するボトル型のイオン発生器です。HEPAフィルターを搭載し、ほこりや花粉を除去してくれます。カラバリは、ブラックとホワイトの2色。500mlペットボトルサイズのため、持ち運びもラクラク。デスクまわりにもマッチします。
●カルテックKL-P01
光触媒技術を使って空気を清浄するタイプの空気清浄機です。ストラップで首にかけたり、クリップで洋服にひっかけたり、充電スタンドに置いたりと、3通りの使い方ができます。フィルターを洗うだけで、除菌・脱臭効果が半永久的に持続。カラーバリエーションはオレンジ、ブラック、ホワイトの3色です。
まとめ
近年の小型清浄機は、持ち運びが容易でコンパクトといったメリットはそのままに、空気清浄機能が年々パワフルになっています。最適な小型空気清浄機を見つけるには、使用目的や部屋の環境に合わせて選ぶのがおすすめです。
仕事中や就寝時に使用する場合は、静音性の高さにも注目しておきましょう。あらかじめ使用シーンをイメージしておくことが、自分にぴったりの1台を見つけるコツです。
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