人が集まれない? コロナ時代のオフィスのありかたとは?

グッドカンパニー研究」当シリーズでは、多様な働き方を考えるカンファレンス 「Tokyo Work Design Week」 を主催し、現代における様々な「働き方」を探求、「ヒューマンファースト研究所(※)」の外部アドバイザーでもある横石 崇さんが、時代をリードする企業のオフィスを訪問取材。

オフィスのありかたから垣間見える企業の理念やコミュニケーションに関する考え方、その企業らしい新しい働き方を探究し、「グッドカンパニーとは何か」を探ります。

いま世界中でオフィスのありかたが見直されています。次の一手のために必要なことは何なのか? 企業にとってのGOODを追求することでそのヒントが見えてきます。(横石 崇)

三井物産グループのイノベーション・ラボ「Moon Creative Lab」へ

第6回は、表参道にある「Moon Creative Lab(以下Moon)」の東京オフィスへ。Moonは三井物産グループの新規事業開発、ビジネスインキュベーションを推進するイノベーション・ラボであり、本社は起業家の聖地といわれるカリフォルニア州パロアルトにあります。

2018年8月の立ち上げ当初はシェアオフィスに東京オフィスを置きましたが、2021年1月にポストコロナの働き方に対応した「Tokyo Studio」を表参道に開設。“Nature’s Creative Factory”をコンセプトに、緑や自然素材を多用し、スタッフの自由な発想とクリエイティビティを刺激する空間が4フロアに渡り設計されています。

そんなオフィスから見えてきた新しい働き方とは?

Moon創業チームのコアメンバーで、2020年にチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任し、Moonのデザイン全般を総括するマイク・ペンさんと、社員のエンゲージメントを高めるシニア・ピープルエクスペリエンス・デザイナーのシーナ・ジェイコブソンさんに聞きました。

グッドカンパニー研究 Vol.6

【調査するオフィス】

Moon Creative Lab「Tokyo Studio」/東京都港区

【話を聞いた人】

マイク・ペン(Mike Peng)さん/Chief Creative Officer

シーナ・ジェイコブソン(Signe Jacobsen)さん/Senior People Experience Designer

三井物産から新たなビジネスを「つくる」ために生まれたベンチャースタジオ

横石 崇さん(以下、横石):今まで「Tokyo Studio」の2階は雑誌で拝見する機会がありましたが、3階と4階を見せていただくのは初めてで、すごくワクワクしました。この感覚も含めて、きっと皆さんがやりたいことが「Tokyo Studio」に体現されているんだろうなと想像できます。

「Moon Creative Lab」は、世界中に広がる三井物産グループの組織や社員からアイデアを発掘し、新しいビジネスを生み出すために設立されたとのことですが、まずはその背景をお聞かせください。

マイク・ペンさん(以下、マイク):今から5年前になりますが、Moonの親会社である三井物産は「長期業態ビジョン2030」という長期ビジョンプランを策定しました。

その中で掲げているのが、「つなぐ」から「つくる」への進化です。これまでさまざまな産業や業界で、企業や商品などを「つなぐ」ことで価値を生むことが多かった総合商社の機能や役割を超え、自ら主体的にビジネスを「つくる」存在へ進化していこうというものです。

そのためには、新しいマインドセット、新しいツール、新しいプロセスを開発しなければなりませんでした。そのプロセスをより早く、実験的に、挑戦的に進めていく���めには、三井物産の内側ではなく、外側でイノベーションに特化した探索のための別組織をつくる必要がありました。

そうした発想からスタートしたのが、「From Connect to Create」をモットーとするベンチャースタジオ「Moon Creative Lab」です。

マイク・ペン(Mike Peng)さん/Chief Creative Officer
マイク・ペン(Mike Peng)さん/Chief Creative Officer

横石:Moonのチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるマイクさんは、日本のデザイン&スタートアップ・シーンとの関わりが深く、2011年に、世界的デザインコンサルタント会社として知られるIDEOの東京オフィスを立ち上げ、日本のベンチャーに投資するD4V(Design for Ventures)の共同設立者でもあります。

クリエイティブの重要性は多くの人が認識しているところですが、実際に「つなぐ」から「つくる」存在へと進化するためには、どのようなクリエイティブの力が必要になるとお考えですか。

マイク:まだ存在しないものを作るようなイノベーティブなことを実現するには、クリエイティブである必要があります。クリエイティブであるには、多様な分野に特化した人たちの、異なる視点が必要です。

三井物産グループには、全世界に4万4,000人を超える社員がいて、彼らのなかには間違いなくグッドアイデアが眠っています。

Moonでは、デザイナーやエンジニア、プロダクトマネージャー、デザインリサーチャー、コミュニケーションデザイナーなど、多様な分野に特化した人材を集めることで、これらの眠っているアイデアを掘り起こし、その具現化をサポートできると考えています。

オフィスから「セレンディピティ」が生まれる

横石:三井物産グループを起点として、この「Tokyo Studio」に様々な専門性のある人材が集結し、アイデアの実現に取り組んでいるのですね。そんな多様な才能が実際に集まる受け皿がこのオフィスになると思いますが、こうしたフィジカルな場所を作ろうと思われた動機は何だったのでしょうか。

左:シーナ・ジェイコブソン(Signe Jacobsen)さん/Senior People Experience Designer
左:シーナ・ジェイコブソン(Signe Jacobsen)さん/Senior People Experience Designer

シーナ・ジェイコブソンさん(以下、シーナ):新しいアイデアを生み出し、ベンチャーを立ち上げるという仕事の一部は、物理的なオフィス空間があることでより効率的に、より簡単になると思っています。

実際に会って話をしていると、すばらしいアイデアが生まれる瞬間には、部屋の中にエナジーが満ちてくるんです。zoomは優れたシステムですが、対面と同じようにエナジーを感じるのは難しいことも。

他の仕事は自宅やリモートでもできるけれど、会社をより良く、より大きくするためのクリエイティブな仕事には、対面でこそ感じられるエナジーがなくてはならないものではないでしょうか。

マイク:クリエイティブなオフィスがあれば、即クリエイティブなものが生まれるわけではありません。しかし、クリエイティブなアイデアが生まれやすい土壌を整えることは重要です。それは、スタッフが安心できるような条件や環境を構築し、すべてが非常にオープンで自由な発想の場をつくることだと考えています。

横石:Moonのオフィスは、以前はシェアオフィス「WeWork アイスバーグ」にありましたが、新オフィスに移ってから大きな変化はありましたか?

マイク:これはいつも思うことですが、オフィスづくりは実験のようなものです。以前のオフィスは独立した部屋がなく、みんなが同じ空間にいたので、集中しにくいと感じていました。

そこで、このオフィスのメインフロアとして最初に2階をつくったのですが、すべての設備を可動式にしてフレキシブルにいろいろな空間をつくれるようにしました。

そのあと3階と4階も借りられることになってフロアを拡張したのですが、その都度、以前の成功や失敗から学んで生かしていることもあり、どんどんバージョンアップしています。

ここはシェアオフィスと違って、自分たちだけの空間ということもあり、Moonが掲げる5つのキーバリューを中心に表現したいと考えました。

Moon Creative Labの5つの行動指針(Value)

  1. Be Human–Centered(人間中心であること)
  2. Ask the Right Questions(正しい問いを立てる)
  3. Set Our Own Course(自分たちで道を切り開く)
  4. Experiment Fast(素早く実験する)
  5. Stretch Our Comfort Zone(コンフォートゾーンを広げる)

ただ働く場所ではなく、自分たちの信念や価値観、パーソナリティを体現するためにスペースを使いたい。借り物ではなく、自分たちの空間であることを実感できるようにすることは、組織づくりにおいてとても重要だと思います。

横石:この新オフィスにおいて、Moonはどのような働き方を目指しているのでしょうか。「つなぐ(Connect)」とは異なり、「つくる(Create)」は、何が重要視されるのでしょうか。

シーナ:「Moon Creative Lab」という名前の通り、クリエイティビティは私たちの文化であり血肉です。常に創造的であるために努力していますが、創造性を発揮するためには個人的なつながりや信頼、安心感なども必要です。

そのため私たちが採用する人材は、専門分野だけでなく、出身地や性格、アイデンティティなど、多様性に富んでいることが欠かせませんし、オフィスにもすべての人のためのスペースを作っています。

私たちにとって、安全性とダイバーシティ&インクルージョンはとても大切です。これらはベンチャー企業のあり方について考えるときはもちろん、Moonの基本的なワーキングモデルになっていると思います。多様であること、包括的であること、対話があること──そうでなければクリエイティビティは育ちません

この2年半のパンデミックでは、社員に「自分たちにとって必要なことをしてくれるエージェントがいる」という安心感や所属の感覚を持ってもらうことが、私たち組織を運営する側にとっては特に大事にしたことの1つです。

働き方としては、今後はハイブリッドワークを推奨したいと考えています。生活環境をより自分らしく整えるチャンスを全員に与えることができますし、新しいワークスタイルから新しいアイデアが出てくるかもしれませんから。

マイク:環境はとても大事です。2人で仕事をしていても、キッチンに行ったら別の人がいて、思いがけないアイデアをくれたりする。私たちはそれを「セレンディピティ」と呼んでいます。ここにはたくさんの人がいて、会話できる環境があるからこそ、新しいひらめきを得ることができるんです。

イノベーションを起こすための空間デザイン

横石:今もオフィスにいる皆さんの様子を見ていると、あちらこちらで会話が弾んでいて、静かな日本のオフィスとはまったく印象が違います。

いま日本の会社、日本の社会に必要なのはクリエイティビティだと感じつつも、「もっと、おしゃべりしなさい」と推奨したからといって会話が生まれるわけではない。

Moonのオフィスには、自然に話したくなるような環境や空間設計がなされているように感じたのですが、人の交流を促す仕組みづくりとして何か意識されていることはありますか。

マイク:仕事には様々なモードや働き方があるので、様々なタイプの空間をデザインすることを重視しています。

一人で籠って考えたいときはブース席。2~3人で話したいときはプロジェクトルーム。カフェにいるようにカジュアルに過ごしたいときはソファ席に行くなど、ほんの2~3時間でも2つも3つもモードがあると思うんです。みんなでワイワイ話したければキッチンに行くとかね。

そんなふうに様々なタイプのスペースがあることがこのオフィスのいいところであり、人々の多様性を表現していると思います。

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一覧
こもり感が集中できると人気の個室やブース席は各階、様々なところに。
こもり感が集中できると人気の個室やブース席は各階、様々なところに。
仕切りなしの大空間、自由に什器も稼働する2階フロア、バースペースも。
仕切りなしの大空間、自由に什器も稼働する2階フロア、バースペースも。
巨大プリンターのあるメイカー・スペース。プロトタイプ制作を後押しする。
巨大プリンターのあるメイカー・スペース。プロトタイプ制作を後押しする。
開放的な4階フロアは、長テーブルに人が集まり、セレンディピティ���生まれる場。ガラス戸で仕切られた会議室、集中できる窓際のブース席、広々としたベランダにキッチン、はしごで上がるロフトなど、ワクワクする空間設計が印象的。
開放的な4階フロアは、長テーブルに人が集まり、セレンディピティが生まれる場。ガラス戸で仕切られた会議室、集中できる窓際のブース席、広々としたベランダにキッチン、はしごで上がるロフトなど、ワクワクする空間設計が印象的。
3階はMoonの活動を支える管理部門のフロア。「Moon」から生まれたスタートアッププロジェクトの作業スペースとしても解放されている。
3階はMoonの活動を支える管理部門のフロア。「Moon」から生まれたスタートアッププロジェクトの作業スペースとしても解放されている。
壁面3台のプロジェクターをつなげて大きな映像を投影できる1階イベントスペース。背面の壁には「Moon」から生まれた様々なベンチャーのイメージボードが貼られている。
壁面3台のプロジェクターをつなげて大きな映像を投影できる1階イベントスペース。背面の壁には「Moon」から生まれた様々なベンチャーのイメージボードが貼られている。
こもり感が集中できると人気の個室やブース席は各階、様々なところに。
こもり感が集中できると人気の個室やブース席は各階、様々なところに。
仕切りなしの大空間、自由に什器も稼働する2階フロア、バースペースも。
仕切りなしの大空間、自由に什器も稼働する2階フロア、バースペースも。
巨大プリンターのあるメイカー・スペース。プロトタイプ制作を後押しする。
巨大プリンターのあるメイカー・スペース。プロトタイプ制作を後押しする。
開放的な4階フロアは、長テーブルに人が集まり、セレンディピティが生まれる場。ガラス戸で仕切られた会議室、集中できる窓際のブース席、広々としたベランダにキッチン、はしごで上がるロフトなど、ワクワクする空間設計が印象的。
開放的な4階フロアは、長テーブルに人が集まり、セレンディピティが生まれる場。ガラス戸で仕切られた会議室、集中できる窓際のブース席、広々としたベランダにキッチン、はしごで上がるロフトなど、ワクワクする空間設計が印象的。
3階はMoonの活動を支える管理部門のフロア。「Moon」から生まれたスタートアッププロジェクトの作業スペースとしても解放されている。
3階はMoonの活動を支える管理部門のフロア。「Moon」から生まれたスタートアッププロジェクトの作業スペースとしても解放されている。
壁面3台のプロジェクターをつなげて大きな映像を投影できる1階イベントスペース。背面の壁には「Moon」から生まれた様々なベンチャーのイメージボードが貼られている。
壁面3台のプロジェクターをつなげて大きな映像を投影できる1階イベントスペース。背面の壁には「Moon」から生まれた様々なベンチャーのイメージボードが貼られている。

シーナ:私の場合は、図書館のような静かなところだと仕事がはかどらないんです。人がいるほうが集中できる。でも静かじゃないと集中できない人もいますよね。

先ほどのインクルージョンの話にも関わってきますが、仕事のやり方は人それぞれだし、それでいい。そして、自分にとって正しいことをすればいいのです。

横石:僕も静かな場所は苦手なので、このオフィスはとても居心地がいいです。このオフィスをつくるにあたって、インスピレーションの源というか、デザインコンセプトのようなものはありますか?

マイク:デザインコンセプトは“Nature’s Creative Factory”。自然の木々や植物、日の光、きれいな空気は、人の心を解放すると信じています。

そして、“Factory”に込めたのは、私たちはシンクタンクやコンサルティング会社ではなく、アイデアをもとに、実際にビジネスやサービスを作り世の中に送り出す、そうした場所であるという想いです。少しくらいの失敗があってもいい。私たちの価値観のひとつは“Experiment Fast(素早く実験する)”ですから。2階フロアに大型印刷機などを置いたメイカー・スペースを作ったのもそのためです。

このコンセプトを打ち立てたことで、異なる機能、異なるワークモードと組み合わせることができ、Moonらしい空間が形づくれたと思っています。

横石:ウィズコロナの今、社員の方はこのオフィスをどんなふうに使っているのでしょうか。在宅勤務制度や出社する頻度など工夫されていることはありますか。

シーナ:基本的にはハイブリッドワークで、社員の30~40%が出社していますが、出社率は各自の判断にお任せしていて、強制はしていません。

この戦略で重要なのは、コア業務や仕事の責任の範囲について、チーム内で会話をすることを奨励し、促進することです。

一緒にやる必要があるものはどれか、家でやるのに適しているものはどれか。たとえば、自分が若手であれば、メンターとして刺激を受けるために、より年上の人と一緒に仕事をする時間が大事かもしれません。

そうした会話をチーム内で行ない、構造化されたルールでなくても、うまくいくようにするのです。強制されたからではなく、「自分が行きたいから」という動機でオフィスに来てほしい。ここで働くことに誇りを持ち、ここに来ることで何かを得て、自分の価値を高め、仕事に対してより良い感情を抱くことができるようなオフィスを目指しています。

マイク:三井物産の社員には、「たとえMoonと一緒に仕事をしていなくても、このスペースを自由に使っていいから遊びに来てほしい」とよく伝えています。

日本の多くのオフィスは、とても静かで、みんな同じ場所にしかいません。でもイノベーションを起こすためには、違うタイプのスペースが必要なんです。誰とでも話ができて、オープンな気持ちで新しいアイデアを共有できるような空間です。

ここへ来て、そんな空気を感じてもらうだけでも、よりクリエイティブなエネルギーを得られるのではないでしょうか。

表参道の駅前とは思えぬ抜け感。マイクさんも好きだという開放的なルーフトップテラスで仕事したら新しい発想も生まれそう。
表参道の駅前とは思えぬ抜け感。マイクさんも好きだという開放的なルーフトップテラスで仕事したら新しい発想も生まれそう。

“Be Human–Centered”──強いパーパスが「グッドカンパニー」をつくる

横石:最後に、お二人にとって「グッドカンパニー」とはどんな会社なのか、オフィスに限らずお考えを聞かせてください。

シーナ:これは従業員だけでなく、お客様に対しても言えることですが、“Be Human–Centered”。人間をすべての決定の中心においていることです。

マイク:“Be Human–Centered”はMoonの5つのバリューのひとつでもあります。

横石:この連載「グッドカンパニー研究」は野村不動産の「ヒューマンファースト研究所」と共同で取材しているのですが、まさにヒューマンファースト、人間を第一に考えるところが共通していて、我々もすごく刺激を受けました。

マイク:もうひとつ、グッドカンパニーとは「強いパーパスがある会社」だと思います。強いパーパスというのは、お金を儲けること以上に、なぜこの世界に自分たちが存在するのかという信念を持っていることです。

私たちMoonは「創造的な可能性に光を当てる」ことをパーパスに掲げています。そして、三井物産グループの4万4,000人の人々が新しいことに挑戦し、新しいビジネスを生み出すための新しい方法を構築しようとしています。

そのパーパスを信じていれば、みんなで集まって一緒に仕事ができる。お金をもらえるからというだけではなく、同じミッションをみんなで果たすために、私たちはここにいるのです。

横石:エネルギッシュに輝く太陽のような三井物産という存在に対して、Moonはその影に隠れたアイデアに光を当て、優しく包み込んで歩みを促すような存在なのかもしれませんね。今日はすばらしいお話をありがとうございました。

Moonには、それぞれの価値観に沿って、自律的に働く場所を選べる環境がある。
Moonには、それぞれの価値観に沿って、自律的に働く場所を選べる環境がある。


<グッドカンパニーとは|取材を終えて>

取材をした短い時間だけでも、実に多彩な人たちが出入りして、多様な働き方をしていた。

メンバーの国籍も言語もさまざま。和気あいあいと話し込んでいるグループもいれば、モニターをじっと見つめている人、窓辺で寝そべって本を読んでいる人もいれば、コーヒーを淹れて休憩している人もいる。人間を中心にオフィスのかたちを考え抜いたからこそ、メンバーはそれぞれの時間、それぞれのやり方で思い思いに仕事へ没頭できている。

オフィスは強制されるのではなく、オフィスは自発と共にあることを語っていた。オンラインが当たり前の時代だからこそ、職場への愛着心は組織の大きな力となるはずだ。

「つなぐ」と「つくる」が混じり合ったこの場所から、世界を驚かせるイノベーションが生まれることを心から期待したい。(横石 崇)

※ ヒューマンファースト研究所(HUMAN FIRST LAB):野村不動産株式会社が2020年6月に設立。企業や有識者とのパートナーシップのもと、人が本来保有する普遍的な能力の研究を通じて、これからの働く場に必要な視点や新しいオフィスのありかたを発見、それらを実装していくことで、価値創造社会の実現に貢献する活動を行なっている。

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制作協力:ヒューマンファースト研究所(野村不動産)

聞き手: 横石 崇 文: 田邉愛理 撮影: 千葉顕弥