東京都知事選で小池氏が3選 石丸氏が2位、蓮舫氏は3位

選挙中の小池百合子都知事(5日、都内)

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東京都知事選が7日投票され、即日開票の結果、現職の小池百合子氏(71)が3選を果たした。小池氏はさらに4年、都知事を務めることになった。

小池氏は291万票超の票を得た。得票率は42.8%だった。

過去最多の56人が立候補した。小池都政2期8年の評価、少子化対策、経済対策、災害対策などが争点となった。投票率は60.62%だった。

小池氏は無所属で立候補したが、自民、公明両党や地域政党・都民ファーストの会などの支援を受けた。選挙戦では、2021年東京五輪の開催や新型コロナウイルス対策などを都トップとして担った実績をアピールした。

小池氏は当確が報じられると、支持者を前に演説。「都民の皆さま方の力強いご支持をたまわり、3期目、この大東京の都政のかじ取りをお任せいただいた」と述べた。

また、「この2期8年にわたってさまざまな政策、これまで政策目標の約9割を推進・達成した。改めて都民の皆さま方からもっと改革を進めろ、もっと生活をしっかりと支えてくれ、そういう思いをちょうだいした」とした。

そのうえで、「これからますます東京大改革、バージョンアップしていかなければならない」、「どうやって1400万人の都民の命と暮らしを守っていくのか、これからも皆さま方のお力を得てスピードアップ、バージョンアップしていきたい」と抱負を語った。

支持率低迷に苦しむ岸田文雄首相と自民党は、支援していた小池氏の再選にひとまず安心することになる。

小池氏は元自民党衆院議員。環境相や防衛相を歴任し、2016年都知事選で女性初の都知事となった。2020年に再選され、コロナウィルスのパンデミックと、そのため2021年に延期された夏季オリンピックを乗り切った。

今回の選挙戦では、日本の少子化が大きな争点となった。小池氏は今後、深刻なまでに低い東京の低出生率を改善しなくてはならない。 東京都の出生率は0.99(つまり15歳から49歳までの女性1人当たりの子供の数は1人未満)で、全国のどの地域よりも低い。

他方、東京都の人口は日本の約11%を占め、国内総生産(GDP)の20%近くを占める。その首長として、小池氏は日本政界で最も力のある女性の一人ということになる。小池氏が責任者となる東京都の今年度予算は、実に16兆5500億円という巨大な規模に達した。

その一方で、小池氏はスキャンダルと無縁ではない。カイロ大学を卒業していないという疑惑は、いまだに沈静化していない。本人が繰り返し否定し、大学そのものも卒業を確認する声明を出しているが、卒業証書を偽造したという疑惑の報道は、小池氏が3期目を目指している間も続いた。

小池氏を批判する人たちはこのほか、満員電車は続き、「残業ゼロ」も実現できていないなどとして、都知事としての公約を実行していないとしていた。

今回の都知事選では小池氏のほか、立憲民主、共産、社民の各党から支援を受けた前参院議員の蓮舫氏(56)や、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)などが有力候補として注目された。

石丸氏が予想外の健闘で2位となり、長く2位が有力視されていた蓮舫氏は3位となった。

石丸氏が支持を集めたのは、ネット上で多くの支持者を獲得し、若い有権者を動かしたためと考えられている。選挙戦での主張は主に、東京の経済と産業の発展に力点をおいていた。

保守派現職に左派寄りの野党政治家が挑戦した今回の都知事選を、日本のメディアは国政政党同士の代理戦争と位置付けた。

さらに今回の都知事選は、有権者の政治不信が広がる中での選挙戦となった。批評家たちによると、この背景には、歴史的に長いデフレが終わった後に続く日本経済の厳しい状況や、進行する円安が関係しているという。