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Photographed by tsubottlee

遊園地や商業施設、大学も多く、駅前から活気のある大阪府枚方市(ひらかたし)。

最寄り駅から車で15分ほどの住宅街に、今回ご紹介する吉村さんのお住まいはありました。






お名前(職業):吉村さん(会社員)、夫、吉村さんのお母さま
場所:大阪府枚方市
面積:82.3㎡、3LDK
築年数:築5年
住宅形態:戸建て
間取り図(編集部作成):

1階

2階

 

昔から馴染みのある土地での暮らし、“好き”を詰め込んだ家づくり。一緒に歳を重ねていけるような住まいを理想としている人も多いのではないでしょうか?

今回ご紹介する吉村さんもその一人。デザイン性と機能性のバランスを取りながら、どのように自分の好きな空間づくりを進めたのかについて伺ってきました。

この場所に決めた理由

実家を建て替え。温もりを感じる家にしたかった

現在の住まいは、吉村さんのご実家を建て替えたもので昔からの馴染みのある環境です。

内装や間取りは吉村さんご夫婦が考えたといいます。

「温かみが感じられる家にしたくて、生活していて自然と目に入るように木をメインに考えていきました。床には杉材を使っていて、手触りもいいです。

そのほかの場所は、SNSを見て、作りたい空間のイメージをいくつかピックアップしていました。その中からより自分のお気に入りの空間として作り上げられそうなものを取り入れられるよう設計士さんに相談して進めましたね」

2階が吉村さん夫婦の寝室、1階が吉村さんのお母さんの住まい。

リビングを家の中心に置いて広く取ることで、おうち時間の多くはリビングでテレビをみたり、隣接するダイニングでテーブルを囲んだり、と家族団らんの時間��楽しめるようになっていました。

お気に入りの場所

夫婦で並んで使う台所

住まいのなかで、お気に入りの場所として一番に挙げてくれたのが台所

夫婦揃って料理好きであり、設備や収納には2人の思いがこもっています。

「夫が料理を得意にしているので、半分以上は夫の意見を尊重しながら考えていきました。ただ、完全に業務用で揃えるのは見た目の面で気になったので私の声も聞いてもらって今の台所ができあがりました。

toolboxさんにお願いして、ワークトップの高さは夫に合わせた標準よりも少し高めの設計に。フライパンなどの調理器具もこだわりのもので揃えるようにしています」

空間のデザインは無骨になりすぎないよう吉村さんの声を反映してもらったそう。

また、収納に関しては、吉村さんが好きなものを眺められるよう「見せる収納」が中心になっていました。

絵になるスケルトン階段

住まいづくりを進めるうえで、叶えたいものの1つとしてあったのがスケルトン階段。目に入っては惚れ惚れするポイントになっています。

「イメージを工務店の方へ伝えて、提案頂いたものになります。最初は全面スケルトンのイメージもあったのですが、強度の面や、土間から続く収納スペースを確保するために踊り場を設け、そこから下は通常の階段にしました。

スケルトンを採用したことで階段からの眺めがよいことはもちろん、リビングや台所から見るとスケルトン階段が絵画の代わりのような存在になってくれています」

大きな窓があって家の中でも明るい場所になっている階段スペース。

「見て楽しむ」以外にも、踊り場は親戚のお子さんの遊び場になっていたり、長い手すりは布団を干すのにちょうどいい幅だったりと暮らしのなかで、大活躍していました。

お気に入りのアイテム

新居の顔にしたかったソファ

玄関から入ってすぐに広がるリビングに、吉村さんがどうしても置きたかったと話すのが、TRUCK FURNITUREのFK SOFA。夫に説得を重ねて迎え入れた思い入れのあるインテリアです。

「住まいづくりについて情報を集めるなかで、どうしても欲しかったのがこのソファでした。ただ夫からは価格が高すぎない?とも言われていたのですが、あきらめきれず2、3度、最後は母も含めて店舗に足を運んで説得しましたね」

座り心地を実感してもらうことはもちろん、このソファなしに家を建て替えられないという気持ちで魅力を伝えて、なんとか納得してもらうことができたと話す吉村さん。

「納得してもらうまでに時間はかかりましたが、実際に置いてみると、見た目も寛ぐ場所としても大満足で、日々良さを実感しています」

毎日のみそ汁づくりに使う「みそ汁鍋」

こだわりの台所で吉村さんが大切に使っていたのが、長谷園の「みそ汁鍋」

「スタイリストの宇藤えみさんが使っているのを見て、興味を持ったのがきっかけです。みそ汁は毎日飲むので、それを作るならお気に入りのもので作りたいと思い購入しました。

購入後に夫婦で三重の店舗にも行ったのですが、お店だとより多くの種類の鍋があって、今後少しずつ違う種類の鍋も増やせたらと話しています」

残念なところ

景色が見える大きな窓が作れなかったこと

昔から生活してきた場所だからこそ、住まいづくりにはプライバシーの観点から気になることもがあったそう。

「住宅密集地であり、また周囲からの視線や周辺の音が気になるのは避けたかったので、大きな窓を作ることができませんでした。

ただ、自然光はしっかり入るようにしたかったので、窓は視線が気にならない位置につけて、換気も24時間回すことで不都合は感じていません」

これからの暮らし

環境にやさしく。家と一緒に長生きしたい

吉村さんには「健康的に長生きしたい」という思いが昔からあるといいます。

そこから派生して、今では家や暮らしの道具を含めて「一緒に長生きしたい」と考えるようになったのだそう。

「これからは簡単に手に入る手軽さよりも、長く使えるいいものを自分たちで選んで取り入れていきたいと思っています。人にも地球にも優しい暮らしを考えていくことで、今の家と長く一緒に過ごしていける気がしますね」

また、環境への意識とともに、心地よい家を目指して、植物やアートで彩りも加えていきたいと話します。

馴染みある土地で、どうしても実現したかったイメージをひとつずつ叶えてきた吉村さんたちの家づくり。夫婦で意見を出し合って作った温もりのある住まいは、まだまだ大きく、魅力的に育っていきそうです。

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