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早川書房の電子書籍3,000点以上が50%OFFの大セール。編集部メンバーが「オススメ早川本」を熱烈プレゼンしていく

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「早川書房 夏のKindle超ビッグセール」が2024年7月17日(水)まで開催中です。SFの不朽の名作から、さまざまな学問領域のエッセンスが分かりやすく学べるノンフィクションまで、名著ぞろいの早川書房の電子書籍3,000点以上がなんと50%OFF!

そこで今回は、ソレドコ編集部メンバーに「おすすめの早川本」をプレゼンテーションしてもらいました。集まった作品紹介の数々を、フィクションとノンフィクションに分けてご紹介します。

記事を参考に、仕事終わりや週末に読める本を探してみてはいかがでしょう?


👇気になる作品をタップでジャンプできます

【フィクション】

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(上・下)

自分にとって、ここ10年で最高の読書体験だったと断言できる一作です。その傑作ぶりはすでに多く語られていますが、あらゆる書評も、できればあらすじも読まず(とくに下巻のあらすじ。いいか、絶対だぞ。マジで読むな)に手にしていただきたい。

上・下巻でそれぞれ頁数も多いので腰が引けるかもしれませんが、軽妙な文体とセリフ、設定の面白さと説得力、キャラクター造形、そして何より「マジかーーーーーーーー!!!???」となる超展開で、あっという間に、なんなら徹夜で読了にいたるでしょう。

いや、ほんと未読の方がうらやましいです。本作の著者、アンディ・ウィアーといえば、マット・デイモン主演の大ヒット映画『オデッセイ』の原作となる『火星の人』の著者としても知られていますが、『オデッセイ』をご覧になった方は、本作の主人公がマット・デイモンで脳内再生されるはず。僕はそうでした。

なお、同作以前の最高の読書体験は、『犬の力』(ドン・ウィンズロウ著)、『虐殺器官』(伊藤計劃・著)ですが、後者もセール(なんと396円!)になっていますので、この機会にぜひ手に取ってみてください!

ちなみに、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読みながらぜひ聴いてほしいBGMは65daysofstaticの『NO MAN'S SKY』です。

『宇宙【そら】へ』(上・下)

「第二次大戦後、巨大隕石落下により環境の激変が起こると判明した。かくして人類は生き残りをかけて宇宙開発に乗り出すことに。星々を目指す女性パイロットたちを描く改変歴史/宇宙開発SF」

ね、このあらすじだけでワクワクするでしょ。史実における人類初の月面着陸は1969年。本作では、その10年以上前の技術と文化的コンテクストで月面開拓を目指そうというのだから、ワクワクしないわけがない。

こうした設定の妙が魅力ですが、本当に惹きつけられるのは、「女性宇宙飛行士」など想像もされなかった1950年代のアメリカで、女性が知性と情熱と強い覚悟で宇宙へ続く扉をこじ開けようとする、超骨太な人間ドラマです。

SFファンだけでなく、「開拓者の生き様」に胸を熱くしたい方におすすめです。

ちなみに、『宇宙【そら】へ』を読みながらぜひ聴いてほしいBGMはThe White Stripesの『Icky Thump』です。

『春にして君を離れ』

アガサ・クリスティーといえばミステリの名手。「春にして君を離れ」という叙情的なタイトル。てっきり詩的なミステリが展開されるのかと思いきや、そんなファーストインプレッションを木っ端みじんに打ち砕いてくれるのがこの本です。

旅行先で一人回想する中年女性。誰も殺されないし死なない、犯人も出てこない、トリックもない――一人称で語られる、良き妻であり良き母であった自分の人生。でも、実はそうではなかったのかもしれない……。

徐々に開示されていく自己欺瞞に、美しい文体でするすると引き込まれ、読者は自分や自分の家族に思いを馳せることになるでしょう。そして、翻って自分はどうであっただろうか? と立ち止まって考えてしまうことになるでしょう。結末までぜひ見届けてほしい作品です。

『時の娘』

高校時代、分かりやすい世界史の授業で大人気だった先生が、「薔薇戦争の時代のイギリス史(を理解するに)は『時の娘』を読んでおくといい」と言っていたことをきっかけに読みました。受験勉強に役立ったかというと「……?」でしたが、とても面白かったことは確かです。今回のセールを機に買い直したところ、当時の記憶がよみがえってきました。

ロンドン警視庁のグラント警部が、入院中にリチャード3世の肖像画を見て「本当にリチャード3世は悪人だったのか?」と疑念を抱いたことをきっかけに、文献を調べ、推理し、リチャード3世の人物像を掘り下げていく過程が描かれます。

いわゆる「安楽椅子探偵」もの(探偵が事件現場に直接足を運ぶことなく、第三者の話や状況証拠などをもとに事件を解決していくストーリー)ですが、主人公が動かないという制約がある中で、歴史上の一事件に目を付け、悪名高い人物の"本当の姿"を知ろうとする過程を描いていく歴史ミステリーの体裁を取るこの本は、世界史が好きな人はもちろん、世界史が特に好きではない方にも楽しめる内容だと思います。

『.....絶句』(上・下)

新井素子さんのファンであれば、吾妻ひでおさんによるイラストの表紙を思い出すかもしれませんね。書名の前の「・」は5つ、というのは新井素子ファンの間でのお約束です。

作者と同名の主人公・新井素子(19歳のSF作家志望)は、新人賞のために『絶句』というタイトルの原稿を書いています。それが異星人の起こした事故により、小説のキャラクターが実体化してしまって……格好良いヒーロー、マッドサイエンティスト、超能力者、ライオンさんたちが現実世界で素子と生活を始めます。

「これぞSF!」といった設定で話が進みますが、次第に人間と動物の交流、異星人との戦いを通じて、人間という種や文明とは何なのか、問いが投げかけられていきます。単行本の発売は1983年だったので、今からざっと40年前のお話ですが、内容は意外と古びていません。さすがに携帯電話などの最近の機器が出てこない分違和感はあるかもしれませんが、上・下巻合わせて読み通せばアクションものとしても楽しめること間違いなし!

【ノンフィクション】

『スイッチ! 「変われない」を変える方法』

仕事や生活の習慣がなかなか変わらない、変えることができない……と考えていたときにこの本を読みました

この本では、何かを変えるためのメタファーとして「象」と「象使い」を用いてアプローチします。「象」は感情、「象使い」は理性、「道筋」は環境。象と象使いのどちらか一方にだけ訴えかけても、コンピはうまく動かず、何も変わりません

象にやる気を与え、象使いに進むべき方向を教えるにはどうすればいいか? そして、実際の行動を変えていくにはどうすればいいのか? 実際の仕事や生活に実践できる「変化を起こすためのコツ」がちりばめられています。

『欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア』

ルネ・ジラールが提唱し、マーケティングや広告の領域でよく参照される「人の欲望は他人の欲望をマネすることで作られる」という「欲望の三角形(模倣理論)」の概念について、非常に分かりやすく解説してくれる一冊。ジラールの難解な原書を読まなくても、これさえ読めば模倣理論の概要をつかめるのでおすすめです。

「なぜ人はモノを欲しがるのか」というテーマについて考えていた時、たどり着きました。欲望の本質がさまざまな例とともに掘り下げられており、買い物や何かにお金を払って対価を得る行為への解像度がグッと上がりました

『ファスト&スロー』(上・下)

行動経済学のバイブル的な一冊。古典的な経済学の世界で自明とされていた「人間の合理性」を疑問視する、という行動経済学のエッセンスが学べます。

人間の認知システムを「速い思考」と「遅い思考」という形で華麗に言語化したその内容は、人間の本質を深く学ぶ上でも、ビジネス上の意思決定をする上でも参考になりそうです。

人生において大きな意思決定をする瞬間はたびたび訪れます。その時により良い方向へ舵を切るためにも、人間の思考のクセを理解しておいて損はありません。

『習慣の力(新版)』

どうすれば物事が続けられるのだろう、という疑問に科学的なアプローチで答えてくれる一冊

毎日歯を磨くように勉強したり、ハードなトレーニングをこなしたりすることが難しいのはなぜでしょうか。それは「きっかけ」「ルーティン」「報酬」という、習慣に必要な3つの要素が設計されていないから。そんな習慣の設計方法が、脳のメカニズムとともに解説されています。

新しい習慣を作りたい、と考えている方はぜひ読んでほしいです。

『会議でスマートに見せる100の方法』

会議やプレゼンの場で使える「ハッタリ」がこれでもかと紹介された一冊です。

とにかくベン図を描くとか、「いい質問ですね!」とだけ相手に言って質問には答えないとか、くだらなくて最高です。「会議あるある」としても読めるので、実りのない会議に日々辟易としている方にはオススメです。

ネタ本として読むもよし、実際に使ってみよう、というスタンスで読むもよし。いずれにせよ、驚きと笑いを得られる良書です。

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