「ChatGPTの回答」と「はてなブックマークの人気コメント」が異なることがある。
たとえば、以下のコメントがはてブの人気コメントになっていたが、ChatGPTに聞くと否定される。
特別寄稿 インドに抜かれ「GDP5位」なぜ、日本は凋落一途か/中野剛志・評論家
消費税の額面上の「税率」を比較することに意味はない。ドイツより税率が高いスウェーデンでも「総税収に対する消費税収の割合」は18.5%に過ぎない一方で、日本は37%に達しており、諸外国よりも高い。
2024/06/07 11:47
これについて、僕はChatGPTに以下のように聞いてみた。
「スウェーデンでも「総税収に対する消費税収の割合」は18.5%に過ぎない一方で、日本は37%に達しており、諸外国よりも高い。」という発言がネットにかかれていたのですが、これは信用できますか?
ChatGPTの回答は以下の通り:
ネット上で見つけた「スウェーデンの総税収に対する消費税収の割合が18.5%である」という情報は正確ではありません。OECDのデータによると、スウェーデンの消費税(VAT)収入が総税収に占める割合は約28%です。これは、OECD諸国の平均である30%とほぼ同程度です (Site homepage) (Site homepage)。
一方、日本の消費税収入は総税収の約19.5%を占めており、こちらもOECDの平均より低いです (Site homepage) (Tax Foundation)。したがって、「日本の消費税収入が総税収の37%に達している」という情報も正確ではありません。
このため、ネット上の情報には誤りがあると考えられます。正確な情報を確認するためには、信頼できるソースや公式な統計データを参照することが重要です。
先ほどのはてブコメントに☆をつけた方のリストは以下の通りだが、この方々は、どうやって、ChatGPTよりもはてブのコメントの方が信用できると判断したんだろうか?
それを知るため、Googleで「消費税が政府の総収入に占める割合の国際比較」を検索したら、一番上に日本の財務省の資料が出てきた。
この資料からすると、消費税の税収が税収全体に占める割合で見ると、日本(35.0%)、スウェーデン(36.3)と、変わらない(2023年1月現在)
「ChatGPTの回答」と「はてなブックマークの人気コメント」のどちらとも異なることが分かる。
なんと、「ChatGPTの回答」と「はてなブックマークの人気コメント」と「日本の財務省の資料」の言ってることが三者とも異なるのである。
いったい、どれを信用したらいいんだ?
公平を期すため、もう一度、先ほどのはてなブックマークコメントが正しい他の可能性についても吟味してみよう。
特別寄稿 インドに抜かれ「GDP5位」なぜ、日本は凋落一途か/中野剛志・評論家
消費税の額面上の「税率」を比較することに意味はない。ドイツより税率が高いスウェーデンでも「総税収に対する消費税収の割合」は18.5%に過ぎない一方で、日本は37%に達しており、諸外国よりも高い。
2024/06/07 11:47
文言をよく見ると「総税収」と言っている。
社会保険も実質的な税だという考え方もあるので、このコメントは、その考え方に基づいて、「総税収」と言っているのかもしれない。
だとしたら、「国民全体の所得に対する税金と社会保障費の負担の割合」を見るべきではないだろうか。
それが、「国民負担率」という考え方である。
先ほどの財務省の資料では、抜かりなく、国民負担率の比較も行っている。
このグラフを見ると、国民全体の所得に対する消費税負担の割合は、日本9.9%、スウェーデン17.9%である。
明らかに、スウェーデンの方が重い。
しかし、国民負担率が高くなるのは、老年人口の割合が大きいためだという見方もある。
スウェーデンの老年人口が日本の二倍であれば、スウェーデンの消費税負担が日本の二倍だったとしても、それほど負担が大きいとは言えない、もしくは、負担が大きくてもしょうがないので、比較することはフェアではない、と言えるのではないだろうか。
このため、財務省資料には、ぬかりなく、老年人口比率も書かれている。日本28.6%、スウェーデン20.0%である。
老年人口を考慮に入れると、スウェーデンの消費税の重さが、さらに際立つ結果になることが分かる。
さらにさらにもっと公平を期すため、さらにさらに念入りに、先ほどのはてなブックマークコメントが正しい他の可能性を吟味してみよう。
特別寄稿 インドに抜かれ「GDP5位」なぜ、日本は凋落一途か/中野剛志・評論家
消費税の額面上の「税率」を比較することに意味はない。ドイツより税率が高いスウェーデンでも「総税収に対する消費税収の割合」は18.5%に過ぎない一方で、日本は37%に達しており、諸外国よりも高い。
2024/06/07 11:47
よーく見ると、「総税収に対する消費税収の割合」と言っている。
「割合」が重要なのであれば、「国民負担における消費税の割合」を比較すべきではないだろうか。
そこで、その財務省の資料のデータを使って、それを計算すると、スウェーデン32.8%、日本20.7%という結果になった。
つまり、割合で見ても、スウェーデンの方が、日本よりも、はるかに消費税負担は重いのである。
もしかして、このブコメに☆をつけた方々は、日本の財務省が、データをねつ造していると思っているのだろうか?
しかし、さすがに、ねつ造すると大問題になるから、それは考えにくい。
ねつ造ではなく、チェリーピッキングによる印象操作を疑っているのだろうか?
たしかに、チェリーピッキングは疑うべきだろう。
「国民負担における消費税の割合」は変動する。
たまたま、日本の消費税負担がスウェーデンよりも軽いかのように見える、特別な瞬間だけを切り取ったのかもしれない。
景気がいいときは法人税の割合が大きくなるので、消費税負担の割合は相対的に小さくなる。
しかし、法人税収が国民負担に占める割合は、2023年1月でも、日本5.5%、スウェーデン4.4%で、さほど大きくない。
とてつもなく変動幅が大きくない限り、「国民全体の所得に対する消費税の割合は、日本9.9%、スウェーデン17.9%」を覆すのは無理だろう。
つまり、「日本の景気がいざなみ景気をはるかに越えるほどよくて、スウェーデンの景気が世界恐慌みたいに悪い、特別な瞬間」を切り取りでもしない限り、ムリだ。
はたして、財務省はチェリーピッキングをやったのだろうか?
それを調べるため、先ほどの財務省資料のデータの日付を確認してみる。
「2023年1月現在」とある。
以下のグラフを見ると、この年の日本のGDP成長率は1.2%
どうみても、いざなみ景気をはるかに越える成長率ではない。
スウェーデンのこの年のGDP成長率は-0.2%。
まあ、悪いが、世界恐慌みたいにひどくはない。
つまり、スウェーデンよりも日本の方が消費税負担が重いのに、財務省はデータをチェリーピッキングして、その逆であるかのように印象操作した、という可能性は考えにくい。
これだけ様々な角度で吟味しても、このはてブコメントは、間違っているようにしか見えない。
僕は、いったい、何を見落としているので、このように見えるのだろうか?
このコメントに☆をつけた方々は、いったい、どういうデータをどのように吟味した結果、このコメントに☆をつけたのだろうか?
僕は、僕が間違っている理由をぜひ知りたいので、この方々に、僕が間違っている理由を、教えていただきたいと思っています。
おてすきのときで良いので、僕が間違っている理由を、教えていただけないでしょうか?
よろしくお願いいたします。