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栄養士が暴く!「食と健康」に関する6つの迷信

「炭水化物は太る?」「グルテンは避けるべき?」などの、よく聞く疑問やウワサを専門家が検証。

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Stefka Pavlova//Getty Images

「筋肉をつけるには、タンパク質をたくさんとるべき?」「乳製品は体に悪い?」「グルテンは避けたほうがいい?」「炭水化物は太る?」「痩せていないと不健康?」

インターネット上でたびたび見かける、食や栄養に関する疑問や迷信。これらの情報のなかには、事実ではないものも混在している。SNS上に現れる自称“健康の専門家”たちによって、誤解を招く情報が発信され、事実が曖昧になることも。

ここでは、そのなかでも特によく目にする、栄養にまつわる6つの迷信やウワサについてエキスパートが徹底解説。その真偽をぜひ確かめてみて。

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

From Women's Health UK

1

炭水化物を食べると太る?

pasta asparagus and green peas
Carlo A//Getty Images

「炭水化物は、『食べてはいけないものリスト』に入れられてしまうことが非常に多いです」と話すのは、食事に関する情報を発信する「Dietitian UK」の摂食障害専門栄養士であるプリヤ・テューさん。

「まず栄養士として、私はどんな食べ物も“良い”や“悪い”で分類されるべきではないと考えます。たしかに、より栄養価の高い食べ物をとる人もいれば、超加工食品(UPFs=ウルトラプロセスフード)を多く摂取する人もいるかもしれません。しかしどんな食品であっても、私たちの食生活のなかに居場所はありますし、炭水化物もそこに含まれます」

「実際に、炭水化物は体のエネルギー源として重要な役割を果たします。つまり、さまざまな栄養素をとったときに、体は脂質やタンパク質よりも炭水化物をエネルギー源として選ぶということです。体内で炭水化物をグルコースに変換し、それをエネルギーとして使うか、筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄えて、1〜2日後に使うかを選択しています」

「『炭水化物は脂肪として蓄積されますか?』という質問の答えは『イエス』ですが、それは炭水化物を食べすぎた場合(一度にたくさんの量を食べるだけではなく、継続的に大量に食べた場合)の話です。必要以上のカロリーをとれば脂肪になりますが、炭水化物が特別に太るということではありません」

しかし、「炭水化物の種類によっては、体と健康に影響を与える可能性があります」と続け、血糖値を大きく上昇させる“精製された白い炭水化物”を食べると、BMI値が高まる可能性があるという2005年の研究結果について述べている。

「ただし、炭水化物のすべてが体重に影響するというわけではなく、血糖値への影響を抑えるためにも、全粒穀物の炭水化物、タンパク質と脂質で食事のバランスをとることが重要である、と示されています」

2

グルテンは避けたほうがいい?

food with gluten base on white and whole floor,on grey slate background
JPC-PROD//Getty Images

小麦粉などに含まれる“グルテン”は、本当に体に悪いのか。「簡潔に述べると、ほとんどの人にとっては『ノー』です」と説明するのは、腸の健康を専門とする栄養士のクラリッサ・レンハーさん。

「グルテンを摂取すると体内の免疫系が自らを攻撃する、自己免疫疾患のセリアック病を患う人は、グルテンを厳格に避ける必要があります。また、(小麦製品を食べると気分が悪くなったり肌荒れしたりする)非セリアック・グルテン過敏症の人は、グルテンを減らしたり除くことで体調が改善することがあります。加えて、小麦アレルギーの人は、グルテンを含む多くの食品を避けなければなりません」

しかし、それ以外の人にとってグルテンの摂取は問題ない、とレンハーさん。「全粒粉やスペルト小麦、ライ麦製品などはグルテンを多く含むいっぽうで、体に嬉しい必須ビタミンや食物繊維も豊富です。ある研究では、グルテンフリーの食事は腸内の善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)の数を減少させるという報告があります。これは、食物繊維など、善玉菌の増殖をサポートするプレバイオティクスが、小麦に含まれていることに関係しています」

「また、グルテンフリーの加工食品は、砂糖や防腐剤、乳化剤、質の悪い脂質を添加することで味や食感を補っている場合も多く、健康志向の人にとって、食事選択の意図を損なう可能性があります」

3

ヴィーガンは必要なタンパク質をとることができない?

vegan plate lunch with organic vegetables
Yagi Studio//Getty Images

「プラントベースの食生活の人は、毎日大きなステーキを食べない限り、タンパク質の目標摂取量に届かないと思われがちです。しかし実際のところ、1日に推奨されるタンパク質(体重1キログラムあたり0.75グラム)は、風味豊かな食事を楽しみながら簡単にクリアすることができるのです」と話すのは、プロテインやサプリメントなどを取り扱うSmart Proteinで栄養士を務めるティナ・ロンド・コークさん。

「植物性タンパク質は、豆腐やキヌア、ひよこ豆、チアシードやヘンプシードなどのシード類、ナッツ類、豆類、オート麦などのさまざまな食品に含まれており、その多くからは肉類にはない必須ビタミンやミネラルを得ることができます。また、ブロッコリーやスイートコーン、マッシュルームなど、日常的に食べる野菜の多くにも、少量のタンパク質が含まれているため、1日をとおして問題なく摂取できるといえるでしょう」

「近年、一般的に販売されているヴィーガン向けのプロテインも非常に増えており、特に高タンパク質の食事をとりたい人や、食事制限により選択肢が限られている人に役立つと考えられます」

「さまざまな植物性タンパク源を積極的に摂取し、健康的で活発なライフスタイルを維持することで、ヴィーガンの人でもタンパク質をきちんと摂取でき、すべての必須栄養素の必要量をクリアすることが可能です」

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4

加工食品はすべて体に悪いの?

meat products including ham and sausages
monticelllo//Getty Images

「超加工食品の健康への影響については近年精査されていますが、大量摂取による疾病リスク増加との関連性については、依然として不明なままです」と話すのは、『Unprocess Your Life: Break Free from Ultra-Processed Foods for Good』の著者である栄養士のロブ・ホブソンさん。

食品を加工の性質や程度、目的によって分類する「NOVA分類」についても、あくまで大まかな指標であるとし、「(この分類は)全粒粉のパンやシリアル、ヨーグルト、プラントベースの食品を健康推奨食品に、甘いスイーツや炭酸飲料などを栄養価の低い食品にグループ分けしています」と説明。

「しかし、超加工食品の栄養価には幅があり、糖分や飽和脂肪酸、ナトリウムを多く含み、食物繊維、ビタミン、ミネラルが欠けているものもあります。いっぽうで、全粒穀物やナッツ類、シード類、豆類などを含む栄養価が高いものでも、人工添加物が1種類以上入っているために超加工食品に分類されているものもあります」

「飽和脂肪酸、塩分、糖分を多く含む食品は、肥満や心臓病、2型糖尿病、その他の慢性疾患などの健康への悪影響につながります。しかし、人工添加物(乳化剤など)が健康にどの程度影響するかについてはさらなる研究が必要であり、条件や添加物によって明確に定義されるにはいたっていません。この不確実性により、避けなくてもよい添加物まですべて避けるという選択をする人もいますが、食品を悪者にしないよう、注意が必要です」

まだ結論は見えていないが、加工されていない食品を中心とした食生活がより健康的であることは明らか、としたうえで、ホブソンさんは次のように補足。「現実的なアプローチとして、ゼロから調理する必要のない超加工食品を選ぶ必要がある場合は、可能な限り健康的な選択をするために、ラベルをよく確認しましょう」

5

グリーンパウダー(青汁)をとるべき?

green juiceaojiru in japanese and its powder
Keiko Iwabuchi//Getty Images

「最近、SNSやポッドキャスト番組などでグリーンパウダーが推奨されていますが、登録栄養士が摂取していたり、宣伝したり、患者にすすめたりしているのを見たことがありません。それは、エビデンスに基づく医療従事者として、我々はグリーンパウダーを『健康上の利点が証明されていない超加工野菜』と考えているからです」と話すのは、栄養補助食品などを取り扱うHeightsの栄養コンサルタント、ソフィー・メドリンさん。

「グリーンパウダーは、その原料となる野菜が持つ栄養の利点の一部を保持しているかもしれませんが、ポリフェノールやその他の栄養素は、光や熱などを発する一般的な製造工程に非常に敏感です。つまり、実際の野菜そのものを食べることに比べて、栄養の恩恵がはるかに受けられなくなります。さらに、グリーンパウダーは野菜よりも高価にもかかわらず、食物繊維はほとんど含まれていません」

「さらに、潜在的な効果についての科学的研究は行われていないため、グリーンパウダーが健康に役立つどうかはまったくわからないのです。それどころか、(一部のグリーンパウダーに含まれる)スピルリナのような添加物が免疫系を過剰に刺激し、自己免疫疾患を持つ人に、さらなる問題を引き起こす懸念もあります。これらの理由により、グリーンパウダーをとる必要はなく、一般的には避けるのがベストです。自然のままの野菜のほうがずっとおいしいですしね」

6

痩せている=健康的?

young healthy girl on home scales
stockvisual//Getty Images

「現代社会では、痩せていることが健康的であるとみなされ、より小さいサイズを目指すべきだと信じられています。しかし、外見だけでは何も測れません。問題は、私たちがいまだにBMIや体重計に表示される数字を指標として使っていることです。それでは、体の中で何が起きているのか、本当のところはわかりません」と、「Therapeutic Kitchen」の創設者で登録栄養士のジェーン・モストファイさんは語る。

「健康状態を正確に把握するためには、お腹まわりの脂肪の割合やインスリン感受性、コレステロール比、血圧などを調べる必要があります。これらの数値からの方が、体重計の数字からよりも、自身の健康状態をずっと正確に判断することができます」

「『隠れ肥満(TOFI)』という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは外見は痩せていても、体内には脂肪が溜まっていることを意味します。隠れ肥満の場合、“痩せ型”ではない人たちと同様に、健康に気をつけなくてはなりません」

「というのも、このタイプの場合、重要な臓器を囲む脂肪に内臓脂肪が隠れて蓄積されてしまい、使われていない筋肉をとおって、心臓も脂肪で包んでしまうのです。その脂肪が、インスリン抵抗性や糖尿病、心臓病の原因となる化学シグナルを発信し、関節の痛みや骨粗しょう症、ホルモン調節不全、倦怠感、気分の落ち込みや不安など、痩せすぎている人の典型的な問題を引き起こしてしまいます」

Headshot of Alice Barraclough
Alice Barraclough
Nutrition Editor

With nearly a decade of journalistic experience – in print, online and social – at national newspapers and lifestyle magazines, it’s fair to say Alice has tried it all when it comes to health and fitness. From packing herself off to an extreme Aveduric retreat in Sri Lanka and sweat-testing every new fitness fad to running the London Marathon and completing a 70.3 IronMan, Alice now looks after WH’s food content. With a ‘food first’ ethos, she is here to help you decipher exactly which foods will support your health, and which macro-counting, pasta-replacing, intermittent-fasting, 13-day cleanse is just, well, a scam. A keen baker and host, her favourite dessert has to be pavlova (with lots of summer berries and whipped cream, of course).

Headshot of Ai Ono

 高校生時代にアメリカンカルチャーの影響を受け、大学在学時にアメリカ・シアトルにてホームステイを経験。海外ドラマに関するWEBメディアでライターを務める。海外エンタメ・セレブ、ロイヤルファミリー、ヘルス・ウェルネス記事をメインに、翻訳を担当。手話技能検定3級、世界遺産検定2級、アロマテラピー検定1級を持つ。 

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