50年以上にもわたり、脂質は体に悪いとされてきた。引き締まった健康な体が欲しいなら、何が何でも避けるべきだと言われてきた。でも実際はどうだろう? 脂質を摂ったところで人間は太らない。本当に避けるべきものは、大量に消費する食品に隠された、大量の加工炭水化物と精製糖だ。

だからといって、アボカドを思う存分食べても、ピーナッツバターを塗りたくってもいいというわけじゃない。オーストラリアのヘルス&フィットネス業界をリードするトレーナーでもあるサム・ウッドは、栄養士チームとタッグ��組んで脂質を恐れるのをやめるべき理由を学んだ。なぜなら、脂質には良いタイプと悪いタイプがあり、どちらが有益でどちらが有害なのかを理解することが、理想の結果を手に入れるコツだから。

“低脂肪” として売られている食品からは、大抵の場合脂質が取り除かれ、その代わりに砂糖と塩が加えられている。正しいタイプを正しい分量で摂取している以上、脂質を摂っても問題ない。これを念頭に置いて、食べるべき物、避けるべき物のミニガイドをオーストラリア版ウィメンズヘルスから紹介していこう。

【良い脂質】

オメガ3脂肪酸:オメガ3は心臓の健康、脳機能、健康で輝く肌を促進する。オリーブオイル、アボカド、ナッツやシードに含まれる。

飽和脂肪酸:低脂肪ダイエットが流行った時代には悪者扱いされた飽和脂肪酸だけど、植物中心の食生活の中で適度に摂取すれば、健康にとって有益となる。

【悪い脂質】

トランス脂肪酸:本当に避けるべきなのは、このトランス脂肪酸。揚げ物、市販のパン菓子や焼き菓子のほとんどに含まれている。トランス脂肪酸によってLDL血中コレステロール値が上昇し、循環器疾患のリスクが高まる恐れがある。

炎症性のオメガ6脂肪酸: 脂肪の中で、おそらく最も誤解されているのがオメガ6脂肪酸。ヘルシーな油として売り出されることの多い、キャノーラオイルやサンフラワーオイルに含まれているけれど、大抵の場合、水素化過程を踏んでいる。つまり、血中コレステロール値を上昇し、心臓疾患のリスクを高める可能性があるということ。

食生活に良性の脂質を取り入れるべき理由は他にもある。

●脳が必要としている良い脂質を盛り込んだヘルシーでバランスの取れた食事によって、記憶力、脳の働き、気分が良くなるといわれている。

●脂質を摂るとしっかり食べた感じがして満腹感が続く。良い脂質を摂取すると、あなたに “満足感” を与えるホルモンが分泌されるので、常にもっと食べたいと思うことがなくなる

●低脂肪の食生活を送っていると、体が炭水化物を非常によく燃やすようになる。聞こえはいいけれど、実際には体が脂肪よりも炭水化物を優先して燃やしている状態。強く引き締まった体を作りたければ、脂肪を効率的に燃やすべきだ。

これは決して誇張ではなく真実。脂質についての理解は今、転換期にある。良い脂質と悪い脂質をしっかり覚えて、脳と肌をサポートし、心臓に副作用を与えることなく体を引き締める脂質を上手に取り入れていこう。 

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

※この記事は当初、2018年に公開されたものを再編集しました。

Text: Sam Wood Translation: Ai Igamoto Photo:instagram of @28bysamwood