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コロナ禍ヘアメイクのヒント満載! NY・ロンドン発、5つのネクストトレンド。【2021年春夏コレ・ビューティーレポート】

未曾有のウイルスの流行により、ファッションショーの数がいつもより大幅に減った今シーズン。けれどこんなご時世だからこそ、ビューティーの表現には計り知れない可能性がある。“健康美”を追求したメイクや、気持ちをパッと明るくさせるヴィヴィッドなカラー使いなど、NY&ロンドンのファッション・ウィークでヘアメイクのプロたちが描き出した新潮流とは?

マスクの着用が世界的なニューノーマルとなった現在。その動きを受けて、今シーズンのメイクアップはより目もとにフォーカスした大胆なデザインが目立った。鮮やかな藍色のピグメントで上まぶたをアーティスティックに彩った「ゼロ+マリア・コルネホ」や、スカイブルーとマスタードイエローの対比が美しいバイカラーアイの「ビブー・モハパトラ」などが好例だ。また、ヴィヴィッドな色を使わずとも、「アリス アンド オリビア」のようにブラウンとブラックのアイシャドウで果敢にコントゥア効果を追求したスモーキーアイも。小鼻からアイホールにかけていつもより広い範囲に色をのせることで、マスクをしていても目もとのメイクや彫りの深さを強調した、見逃せないテクニックだ。

ポイントカラーで、沈んだ気持ちもアップ。

2021年春夏プレタポルテコレクション「バットシェバ」より。

美しく鮮やかな色の躍動感ほど、不安な気持ちを慰めてくれるものはあるだろうか? 「トム フォード」はパープルアイにホットピンクのリップで、80年���のパワフルな空気感を演出。「バットシェバ」や「LRS」はいずれもきれいに輪郭をとったツヤツヤの赤リップと、唇と同系色ながら質感が異なるグラフィカルなアイメイクを合わせて個性的に。ステイホームで高まったアート熱をぶつけたかのような、ストーリー性を感じさせるメイクが目立った。

今欲しいのは、ヘルシーにつやめくベアスキン。

ベースメイクは、素肌っぽさを大事にしつつもかすかなツヤを持たせた、みずみずしい質感が多く見られた。フレッシュで上品な光をたたえるグロウ肌は、どんな状況にも立ち向かう強さと健康美を感じさせる。以前は当たり前だった“ヘルシーさ”が貴重な財産となった今こそ、ステイホームの時間を使ってしっかり肌づくりに向き合いたい。

ヘアはリアルなラフ感が気分。

人々がロックダウン生活で長らくヘアサロンに行けずに過ごした経験を象徴するかのように、自然なクセを生かした、肩肘張らないリラックスムードのヘアが豊作な今シーズン。全体の流れやシルエットのみを整え、表面の後れ毛などはあえてドライなままに仕上げてとことん現実味を。けれどそれだけじゃつまらない。あえて柄物やレースなどのインパクトのあるトップにエフォートレスなヘアスタイルを合わせることで、ありのままで過ごすことのすばらしさを称えているようにも感じられる。

時には、シネマティックに装うのもアリ。

2021年春夏プレタポルテコレクション「シャーロット・ノールズ」より。

ラフでミニマルなスタイルが主流と思われる一方、思いきり装飾性を謳歌したヘアも登場。「アーデム」や「シモーン・ロシャ」のように、ヘッドピースやシルエットで遊んだカールヘアでクラシカルな雰囲気を漂わせたり、ネオンカラーのハイトーンブリーチヘアでポップに決めてみたり。ロックダウン中には、ヒラリー・ダフをはじめとするセレブたちが髪を大胆な色に染めて話題になったが、彼らを真似てケミカルなヴィヴィッドカラーのヘアに挑戦するなら、「シャーロット・ノールズ」のように一部の毛束の色を抜くなどして、あえてDIY感を出してみるのも面白そうだ。

Photos: Courtesy of brands Text: Tish Weinstock