ファッショニスタはもちろんのこと、ファッションインサイダーであるデザイナーやクリエイティブ・ディレクターがインスピレーション源を探しにお忍びで通うヴィンテージショップのLAILA が母体となる新しいプロジェクトである。このデジタルミュージアムでは、第二次世界大戦後からライフスタイルや文化とともに変化し続けてきた服、アクセサリー、そしてファッションを展示毎のテーマに沿ってキュレーションし、オンライン上で公開する。
各国コレクターから集められた数万点にも及ぶ全ての展示品は、3D技術を用いて撮影・データ化され、360度の角度で鑑賞が可能。これにより、一点一点の全貌をデジタルで体験することができる。
初回の展示は『FIRST EXHIBITION: 1950s - 2010s Part 1』として、LAILA Vintageが所有する1950年代から2010年代までのモダンファッションデザインの歴史をたどるもの。Madame Grès、Pierre Cardin、Yves Saint Laurent、Claude Montana、Thierry Mugler、Gianni Versaceなど、各時代を代表するデザイナーたちの作品が展示される。また、Azzedine AlaïaやAnne-Marie Berettaなど、ボディコンシャス・ブームやオートクチュールとスポーツウェアの融合といった社会的ムーブメントを反映した作品も取り上げられる。
このファッションデジタルミュージアムの内観は、白を基調とし、水の上に広がり、空に浮かぶスカルプチャーのような建物群から成る。展示ルームはオープンエアの部屋や水を敷き詰めた部屋など、ヴァーチャルならではの幻想的な空間を提供。デジタルだからこそ味わえる体験であり、訪れる時間帯によって変わるライティングもまた魅力の一つである。
時代を超えてクラフトマンシップが宿る服やファッションの概念を後世に伝承し、将来を担うヤングジェネレーションの研究資料室としても機能することを目的に、教育機関と提携し学生たちを展覧会に無料招待することも視野に入れている。
現代のダイナミズムが変わった今だからこそ、職人技や人のあり方が問われる。この最新技術を用いたデジタルミュージアム「LA MUSEUM」で、ぜひ「人」が作るクラフトマンシップを新しい形で体感してほしい。
今年も世界最大規模のデザインの祭典「ミラノデザインウィーク 」が開催された。ラグジュアリーブランドも積極的に参加した、最先端のデザインが生まれる場所で披露された、注目の作品やコラボレーションとともに、アートやデザインが日常にもたらす喜びを探る。
![article image](https://cdn.statically.io/img/media.vogue.co.jp/photos/667a9f407b31245d82fb2edf/1:1/w_775%2Cc_limit/P13_HERMES_MILAN-2024_REVEAL_%25C2%25A9Maxime-Verret_RGB.jpg)