PlayStationで復刻したクラシックアーケードゲーム

1980年~1990年前半に発売され、現代ゲームの礎となった往年のクラシックアーケードゲームを紹介。PlayStationでゲームの歴史を感じてみよう。

シューティングゲーム

40年前から現代に受け継がれるシンプルで最も奥深いゲームシステム。1980年代の花形だったアーケードゲームの熱い魂が伝わってくるだろう。

ギャラガ(1981年)

『ギャラガ』は『ギャラクシアン』の後継として登場した“固定画面シューティング”ゲーム。最大の特徴は自機(ファイター)を2機並列に合体させた状態で戦えるパワーアップ要素が実装されたことだ。ただし、敵からの攻撃があたる範囲も大きくなるため、爽快感を感じつつも、より慎重にプレイしよう。

1942(1984年)

第二次世界大戦を題材にした縦スクロールのシューティングゲーム。数々の名作を手がけた伝説のゲームクリエイター岡本吉起氏がゲームデザインを担当している。最大の特徴は敵の弾や衝突を避けることができる「宙返り」ボタンが搭載されたことだ。これまではレバー操作だけで避けなければならなかったゲームの中で、緊急回避を実装した画期的なタイトルである。

『カプコンアーケードスタジアム』の追加タイトルとしてプレイ可能。

戦場の狼(1985年)

これまで空中戦が多かったシューティングゲームに対してリアルな地上戦を舞台にしたタイトル。ゲームの特徴としては、強力な攻撃ができる手投げ弾を扱えることだ。回数制限があり、投げると放物線を描く独特な挙動をとるこの武器を使いこなすことが勝利のカギになってくる。

『カプコンアーケードスタジアム』の追加タイトルとしてプレイ可能。

グラディウス(1985年)

パワーアップの戦略性を確立させた伝説的なタイトル。スピードを何段階とるか? レーザーかダブルか? など、まさに十人十色。ステージ中盤でミスした後の復活劇は、パターンを覚えることはもちろん、正確な操作、パワーアップカプセルの取得順序、そして一瞬の判断、どれが欠けても成立しないグラディウス最大の魅せ場となっている。

魂斗羅(1987年)

これまでのシューティングゲームにジャンプが追加されたアクション要素の強いタイトル。多数のド派手で強力なパワーアップアイテムがあるが、アーケードゲームらしい歯ごたえのある難易度。最大の特徴は、横スクロールだけのステージ構成と思いきや、縦スクロールになったり、当時としては珍しい疑似3Dスクロールステージになったり、映画のような様々なシーンが体験できることだ。

世界初のアーケードゲームは?

1971年にテッド・ダブニー氏とノーラン・ブッシュネル氏が手がけた『コンピュータースペース』が世界初の商業用アーケードゲームと言われているよ。宇宙空間で隕石やUFOを打ち落とすゲームだったんだ。当時は集積回路がまだ普及してなくて、単純な電子回路の組み合わせによる基盤だったみたい。そんな技術的な制限も多くあって、商業的には成功といえるものではなかったようだね。でも、彼らは後にアタリ(ATARI)社の創業者になってビデオゲームの歴史に名を刻むことになるんだ。だから『コンピュータースペース』は世界初にふさわしいアーケードゲームだと思うんだ。

アクションゲーム

シューティングゲームの攻撃するという要素とジャンプアクションの避ける要素が組み合わさり、バリエーションが大きく進化したジャンル。

魔界村(1985年)

現代でも人気のダークファンタジーの先駆けともいえるタイトル。最初から登場するゾンビやカラスも危険だが、数分後に出てくる赤い悪魔の“レッドアリーマー”に当時のプレイヤーは心折られたものだ。難易度が高いのは間違いないが、トライアンドエラーを繰り返し、一歩ずつ確実に上達できる絶妙なバランスのゲーム。当時心折れたあなたも、初めてプレイして心折れたあなたも、「いつでもどこでもセーブ/ロード」や「巻き戻し」があるので必ずクリアできるはずだ。

『カプコンアーケードスタジアム』の追加タイトルとしてプレイ可能。

ダブルドラゴン(1987年)

テクノスジャパンを代表するベルトスクロールアクションゲーム。美麗なグラフィックやリアルなアニメーション、印象的なBGMで、海外でも人気の高いタイトルだ。ジャンプ、パンチ、キックを基本としたさまざまなアクションや拾った武器を駆使しながら戦うシステムは爽快感と没入感がたまらない。特に2人協力プレイ時の衝撃的なラストシーンは必見だ。

悪魔城ドラキュラ(1988年)

家庭用ゲームで有名な『悪魔城ドラキュラ』がアーケードゲームとしてリリースされた。見た目や操作方法は家庭用と同じだが、より美しいグラフィックと音楽、そしてアーケードゲームならではの難易度で、全く違った体験ができるだろう。シリーズファンでプレイしたことのない方は、ぜひプレイしていただきたい。伝統的な歴史の奥深さを感じることができるはずだ。

T.M.N.T. スーパー亀忍者(1989年)

日本では1987年に放映されたアニメーションを題材にしたベルトスクロールアクションゲーム。リアルでコミカルなキャラクターを操作しながら、最大4人までの同時プレイが特徴。サクサクプレイできていると思っていると、あっという間に難しくなったりするので、キッズ向けタイトルと思ってと侮っていると痛い目を見ることになるので注意が必要だ。

『Teenage Mutant Ninja Turtles Cowabunga Collection』に収録。

ファイナルファイト(1989年)

様々な家庭用ゲームに移植された「ファイナルファイト」シリーズの原点。王道ながらも熱いストーリーと個性的なキャラクターで90年代前半を代表するタイトル。リアルで大きなキャラクターを快適に操作できて、多数の敵に挑む爽快感は多くのプレイヤーを魅了した。また、様々なテクニックや伝説的な裏技でコアユーザーをうならせたタイトルでもある。

『カプコンアーケードスタジアム』の追加タイトルとしてプレイ可能。

クラシックアーケードゲームは難しい?

一説によれば、アーケードゲームは1プレイ3分くらいでゲームオーバーになるように設計していると言われてるんだ。だから、家庭用ゲームと比べると極端に難しいと感じてしまうのかもね。復刻版のタイトルは難易度を含めて当時を再現しているけど、ソフトさえ購入してしまえば、3分ごとにコインを入れることもないし、中断セーブやコンテニューを使えば、いつかはクリアできるよ……ガンバレ! もちろん、復刻版でも中断せずに1コインでクリアすれば、当時のゲーマーと同じウデマエということになるね。

かわいくキュートなキャラクターゲーム

ドット絵は懐かしい? それとも見たこともない新しいもの? 世界初のアーケードゲームが登場してから50年、クリエイターと技術者の努力によって様々なキャラクターたちが誕生した。

フロッガー(1981年)

ドット絵も動きもカエルにしか見えない。フロッガーは交通量の多い道路を横断し危険いっぱいの川を渡ってお家にカエルゲーム。限られた色と限られた動きなのに、頭の中には操作しているカエルのシュールでリアルな冒険旅行を思い浮かべることができる。方向レバーだけのシンプルなゲームシステムなのに無限に繰り返し遊んでしまう不思議なゲームだ。

ディグダグ(1982年)

とにかく敵キャラがかわいくてたまらない。地中で気ままに過ごしている姿もプレイヤーを追いかけてくる姿もポンプで膨らむ姿も、岩の下敷きになる姿も、とにかくかわいい。冷静に考えるとチョット残酷な退治方法だけど……ゲームは単純明快で、モリを持ったプレイヤーが穴を掘りながら戦略的に敵を退治していく。プレイするのはもちろん見ているだけでも楽しい。

パックランド(1984年)

元祖ジャンプアクションゲームのひとつ。初代パックマンから、大きくかわいく進化したキャラクターたちが魅力的だ。迷子の妖精を送り届けて家に戻るシンプルなゲームだが、驚くのは操作方法。方向レバーはなく、すべてボタンで操作することになる。70年代のアーケードゲームではよくある操作方法だが、今見ると逆に新しい。連打するほど早く移動できるテクニックもあるので、難しいけどプレイするのがとても楽しいゲームだ。

バブルボブル(1986年)

敵も味方も攻撃方法もアイテムもすべてがキラキラファンシーなゲーム。2人同時の協力プレイで、いっしょに微笑んでしまうようなゲーム……なのだが……。上級者のプレイはひと味違う、タイトル画面で特殊な操作をしてスタートしたり、攻撃方法の泡に巧みに乗り続けたり、アイテムを効率よく出現させて完全クリアする。こんな奥深いゲームシステムがあったからこそ、今も人気のシリーズとなっている。

ワンダーボーイ(1986年

日本では名人が活躍するゲームとして有名だが原作はこちら。横スクロールジャンプアクションの傑作ゲーム。敵の出現位置や配置パターンを覚え、ギリギリジャンプを駆使しながら攻略していくのが楽しい。アイテムのスケボーに乗り続けてステージをクリアするテクニカルなプレイも可能で、初心者から上級者までやりごたえのあるタイトルだ。

アーケードゲームの黄金時代

人によって意見や解釈の違いがあると思うけど、日本中の100円硬貨がなくなったと噂される、1978年(昭和53年)の“インベーダーブーム”が時代の始まりで、数々の伝説的なゲームがリリースされた1985年(昭和60年)前後が黄金時代だと思うよ。1980年代後半に家庭用ゲーム機が全盛期を迎えて少し陰りが見えるけど、1991年(平成3年)から始まる対戦格闘ゲームによって、再び黄金時代がやってくるんだ。その後2000年を過ぎたあたりから次の時代に移っていくんだ。

スポーツゲーム

古くからスポーツゲームのタイトルは数多く、実際のプレイよりもアーケードゲームでスポーツのルールや楽しさを教わったキッズも多かっただろう。

TRACK & FIELD(1983年)

操作方法はとてもシンプル! RUNボタンとJUMPボタンだけ! 連打したりタイミングを計ったりしながら、100メートル競走、走幅跳、やり投、110メートルハードル、ハンマー投、走高跳の全6種目を制覇せよ。プレイ後はビデオゲームなのに、本当のスポーツをしたときみたいな汗をかいているだろう。

空手道(1984年)

対戦格闘ゲームの元祖と呼ばれるタイトル。操作方法が独特で、2つのスティックの組み合わせで技を繰り出す。PlayStationでは2つのアナログスティックを使用して当時のアーケードゲームと同じように操作できる。ただし、難易度も忠実に再現されているので勝ち進むのは至難の業。頑張ってプレイして、2回目のボーナスステージをぜひ見てほしい。「さあ牛だ!」「うもー」

10ヤードファイト(1984年)

アメリカでは国民的スポーツのアメリカンフットボールを題材にしたゲーム。昭和のキッズはこれがアメリカンフットボールと思っていたのだが、本当のルールは全く違うということを大人になってから知るという。しかし、ビデオゲームとしての遊びは詰め込まれている。制限時間の中ルール無用でひたすらタッチダウンを狙う、そのシンプルさが最高におもしろい。

エキサイティングアワー(1985年)

昭和の人々を熱中させたプロレス。多くの個性的なプロレスラーがゲームの世界も熱く盛り上げた。どこかで見たことあるようなキャラクターたちが今では逆に新鮮だ。方向レバーと小技ボタン大技ボタンといった極めてシンプルな操作で多彩な技が繰り出せる。ただ勝つことだけでなく、技の構成を考えながら試合運びを組み立てるのがプロレスゲームの真骨頂だ!

得点王(1992年

SNKの「得点王」シリーズはシンプルな操作で誰でも簡単にサッカーを体験することができる。ガチャガチャプレイしていてもなんとかなるから不思議で、ドット絵のアニメーションとは思えないほど緻密な選手の動きや演出にも注目だ。現代の写実的にリアルなサッカーゲームに慣れたユーザーにこそ、ぜひプレイしていただきたい。サッカーゲームの神髄が何か理解できるだろう。