Appleは、許可なくiPadのカメラやマイクを使用しようとするアプリに対する保護を強化しています。
Macのウェブカメラが使用されるときに点灯するLEDがあるように、M4 iPad Proでもアプリがマイクやウェブカメラを使用しているときに、インジケーターランプが点灯されるようになりました。
今回は、ブラジルを拠点とするアプリ開発者兼セキュリティ研究者のギルハーム・ランボー氏によって発見されたこのセキュリティ機能についてご紹介します。
新機能SILでカメラ・マイクの乗っ取り防止に
ランボー氏によると、この機能はSecure Indicator Light(以下SIL)と呼ばれ、M4 iPad Proで利用可能です。
同機能では、特別新しいLEDライトが追加されたというわけではなく、ディスプレイのごく一部が点灯します。
アプリを使用した際に、カメラやマイクが使用されていることを警告するシステムとなっているようです。
ランボー氏は同機能がハードウェアに組み込まれていることから「悪意のあるソフトウェアが知らぬ間にM4 iPad Proのカメラやマイクを乗っとることが非常に難しくなる」と説明しています。
点灯警告から逃れるアプリにも反応
起動したアプリがマイクやカメラを使用すると、iOSが送信するソフトウェアベースの警告に加えてSILが起動する点は注目すべきと言えるでしょう。
現在、iPhoneやiPadではカメラが使用されているときに画面の右上の端に緑色の光が点灯し、マイク使用時はオレンジ色の光が灯ることでユーザーにカメラとマイクの利用を通知します。
これらの通知はOSからの信号が必要なのですが、今回ハードウェアとリンクしたSILが追加されることで、マルウェアがソフトウェアベースの点灯警告から逃れる方法を見つけた場合でも、不正アクセスの警告を受けることができます。
ハイエンドモデルのみの搭載
SILがあれば知らぬ間にカメラやマイクが乗っ取られることが減り、諸手を挙げてバンザイ! といきたいところですが、現状この機能はハイエンドモデルのiPad Proにしか搭載されていません。
今後リリースされるiPhoneやiPadにもSILが搭載されることを期待したいところですね…!
Source:Mastodon