「いちばん高いもの」がいちばんいいものとは限りません。それはスマートウォッチにも言えることです。

Apple Watch SEからApple Watch Ultra 2に乗り換えて数週間が経ちましたが、12万8800円もするUltra 2より、3万4800円のSEのほうが、私はずっと好きなのです。

Ultra 2には、常時表示ディスプレイやアクションボタンなど、優れたところがたくさんあります。ですが、その仕様は「プロ」向けであり、搭載されている機能の多くは、普通のユーザーには不要でしょう。

価格を気にする必要がなくても、Apple Watch SEやSeries 9のほうが好きだという人は、少なくないはずです。

というわけで今回は、Apple Watchのハイエンドモデルとローエンドモデル、それぞれの長所と短所を徹底解説していきます。どちらを選ぶべきか迷っている人の参考になれば幸いです。

スマートウォッチを買う理由

私がスマートウォッチを身につけるようになったのは、コロナ禍が終わって、通勤の回数が増えはじめたころでした。

私はそれまで、自分がいわゆるアスリートタイプではないこともあって、スマートウォッチに関しては、「なんだか馬鹿げている」と感じていました。いかにも自慢するための製品という感じがしていたからです(昔の折り畳み式携帯電話が出たころも、きっと同じことが言われていたのかもしれませんね)。

Apple Watch SEは、そんな私のようなユーザーにぴったりな製品です。小さくて軽く、私を納得させるのに十分な機能を備えています。

言ってみれば、iPod Nanoのアップデート版です。メディアを操作したり、決済したり、ウォーキングをときどきトラッキングしたりといったことに使える、小さな機器なのです。

私が使う機能はそれくらいですが、とても便利なので、いまではApple Watch SEをすっかり気に入ってしまいました。電車の中でスマホをカバンの中に入れっぱなしにしておけるところもうれしいポイントです。

けれども、スマートウォッチが登場して以来、この新たなデバイスのジャンルにすっかり入れ込んでいる人たちもいます。彼らが求めるのは、ハイエンドモデルに組み込まれている精密なセンサーや、アップグレードで手に入るラグジュアリな見た目、手首にずっしり重いケースの感触です。

そんな人たちにうってつけなのが、Apple Watch Ultra 2です。

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Apple Watch現行3モデルの違い
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