スティーブ・ジョブズがAppleを起業した際、「運」は重要な要素でした。
Appleの登場は、場所も正しかったし、タイミングも時宜を得ていました。さらに適切な人物がおり、アイデア・市場・オーディエンスも最適でした。
大きな成功をおさめた人物に尋ねれば、誰もが「運が成功の一因だった」と言うでしょう。
しかし残念ながら、運を味方にするような状況をつくることはできても、運そのものをコントロールすることはできません。
しかし、驚くべきことに、自分の賢さはある程度コントロールすることは可能です。学習速度を向上させることもできれば、判断力を向上させることも可能で、意思決定のスキルを向上させることだってできます。
加えて、賢い人を見分け方も学ぶこともできます。賢い人を見分けられなければ、優れた人材が揃った環境をつくることが難しくなるため、これは大いに役に立ちます。
運はコントロールできませんが、知能をコントロールすることで、成功に近づくことはできるのです。
では、ジョブズが考える高い知能の指標とは何だったのでしょうか?
知能とは俯瞰する能力
その大部分は記憶です。
しかしその大半は、俯瞰して全体を見渡せる能力です。
まるで都市にいて、建物の80階から街を見下ろすように、全体を見渡せることができる能力。ほかの人たちがA地点からB地点までどう行けばいいのか、くだらない小さな地図を読みながら考えている間に、あなたは自分の目でそれを見ることができる。
つまり全体を見渡すことができる能力です。
そして、全体が見えているからこそ、明白に見えるつながりをつくることができるのです。
それが知能というものです。情報をどれだけ保持できたとしても、どれだけ結晶性知能を持っていたとしても、あるいは優れた記憶力があったとしても、必ずしも良い判断をするのに役立つとは限りません。
時には簡単な決定を下すのに苦労する賢い人がいることは、周知の事実です。
ジョブズが説明するのは、流動的知能です。
これは、新しい情報を学習して記憶する能力、そしてその知識を使って問題を解決する能力。そして、その知識を使って新しい技術を習得する能力です。さらに既存の記憶を呼び起こし、それを新しい知識でアップデートする能力でもあります。
頭脳明晰であるという賢さだけでなく(それが悪いわけではありませんが)、本当の意味での賢さを身につけることに意味があります。
ジョブズにとって、これが高い知能への道の第一歩です。彼は、「極めて賢い人たちはつながりをつながり出すことに非常に長けている」と感じていました。
しかし、さまざまな経験を集めて、それらの経験を結びつけることができない限り、つながりをつくることはできません。
第二のステップは、学び続けること
ジョブズもこのように述べています。
おもしろいことに、頭脳明晰な人間がいると、周りの人は、その人物にお決まりの進路をすすめます。「高校に行って、次は大学に進学」というように。
(しかし)重要なことは、賢い人々はこれまで多種多様な経験を積んでおり、問題を解決したり、窮地を独自の方法で脱したりする際に、それらの経験を引き出すことができたということです。
1つの方向に進もうとする時、それに対して多くの圧力を受けることになるでしょう。あなたがするべきことは、 他人とは異なる経験を得ることです。
革新的なコネクションをつくるには、そして経験と経験を結びつけるには、みんなと同じような経験をしないことです。
そうなると、皆と同じようなつながりをつくることになります。
これがステップ2です。新しいことに挑戦しなければなりません。新しいことを学ばなければなりません。たとえ、学びに(まだ)明確な目的を持っていないと感じたとしてもです。
自分にとって快適ではないと感じることをしなければなりません。それは、自分自身を新しい領域に広げようとしている確実な兆候です。
すでに知っていることについてさらに学ぶことは、不思議なことに、簡単で安心感があります。 しかしその場合、他人と同じような経験と、他人と同じような表面的なつながりしか持つことができません。
幅広い知識を持てば持つほど、連想学習の力を活用することができます。これは、新しいことを既に知っていることに関連付けるプロセスです(簡単に言えば、連想学習は「なるほど、わかったぞ。これは基本的にこういうことなんだ」と気付くことです)。
多くを学べば学ぶほど、既存の知識と新しいことを関連付けられる可能性が高くなります。さらに、問題を解決したり、新しい方法で窮地を切り抜けられる可能性も高くなるでしょう。
Source: YouTube
Originally published by Inc. [原文]
Copyright © 2024 Mansueto Ventures LLC.