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2024年6月16日(日)

都幹部14人 三井不天下り

選手村・外苑…知事肝煎り再開発

 東京都にある五輪選手村(中央区、現晴海フラッグ)や神宮外苑再開発(新宿区、港区)などの大型再開発を主導する三井不動産グループ2社に、都局長ら幹部14人が天下りしていたことがわかりました。いずれも小池百合子知事が肝煎りで進める事業です。14人のうち8人が再開発事業を所管する都市整備局の元幹部で、元局長2人が含まれます。癒着の根深さを裏付けています。

 三井不動産には都市整備局(旧都市計画局)元局長ら12人、三井不動産レジデンシャルに2人が天下りしていました。局長級は「特任参与」、部課長級が「参与」「参事」などの役職で受け入れています。

 元局長2人は都を退職後、都関連法人の社長・理事長を経て、石原慎太郎知事時代に三井不動産に“渡り”ました。都市整備局元建築指導事務所長は22年、三井系2社にかけもち天下りしていました。

 五輪選手村用地は、三井不動産レジデンシャルを代表企業とする大手不動産11社に都が近隣地価の9割引きで売却したとして住民らが損害賠償を求めて提訴しています。樹木を伐採し超高層ビルを建設する神宮外苑再開発を巡っては、反対の声が広がっていますが、小池知事は強硬姿勢を変えていません。

 天下りは、2000年以降の都幹部職員名簿、都公表の退職幹部の再就職名簿、各種退職会名簿を調べ、情報開示請求や、元局長など都関係者への取材で明らかになりました。

“行政買収”か

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 市川隆夫・臨海都民連事務局長の話 私たちは35年前から臨海副都心など都の大型開発を監視してきた。五輪選手村や競技施設は、都が五輪招致に立候補した時点からデベロッパーやゼネコンなどが準備を進め、都幹部の天下り受け入れを増やした疑いがある。

 天下り幹部の中には現役都職員と接触し、職員の職務に影響を及ぼした例も聞いている。都幹部の天下りは“企業による行政の買収”に該当する疑いがある。公共事業や再開発事業など利害関係企業への天下りは全面禁止すべきだ。

三井不動産系2社に天下りした東京都の元幹部

◆三井不動産 12人
※都市計画局長
※都市計画局長→建設局長
 都市計画局参事
 都市計画局課長
 都市整備局課長 2人
 都市整備局所長▲
 東京消防庁方面本部長
 東京消防庁署長 3人
 東京消防庁副署長

◆三井不動産レジデンシャル 2人
 都市整備局所長▲
 港湾局課長

 岡部裕三氏調べ
 ※は局長、▲は同一人物で2社に天下り


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