決算
リンクトインの共同創業者リード・ホフマン氏。
Kimberly White/Getty Images
- リンクトイン（LinkedIn）の共同創業者リード・ホフマン氏は、アメリカのトランプ前大統領を支持するビジネスリーダーたちを激しく非難した。
- アメリカのビジネスの繁栄には、安定した法制度が不可欠だとホフマン氏は『エコノミスト』の論説記事で指摘した。
- トランプ前大統領はアメリカの法制度を一変させるだろうと、同氏は主張した。
リンクトインの共同創業者でビリオネアのリード・ホフマン氏は、今年の選挙で共和党が勝利することは経済にとって悪影響だとし、トランプ前大統領を支持するビジネスリーダーたちを激しく非難した。
2002年にリンクトインを共同で立ち上げたホフマン氏は先週『エコノミスト』の論説記事で、再選を目指すトランプ前大統領を支持する経営者たちの｢近視眼｣を批判した。
ホフマン氏は、アメリカのビジネスが繁栄するためには｢安定した法制度｣が不可欠で、裁判所と公平な陪審員は｢契約を履行し、不正を罰する｣ために重要だと述べた。
｢ただ、安定した、信頼できる法制度は所与のものではない｣とホフマン氏は書いている。
｢これなしでは生きていけない、必要不可欠なものだ。手放すのなら危険を覚悟の上で、だ｣
｢だからこそ、ますます多くのアメリカの企業や金融界のリーダーたちがドナルド・トランプに財布を開いていることが嘆かわしい｣
ホフマン氏は、ポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんへの口止め料の支払いを隠蔽するために不正な会計処理をし、34件の罪状全てで有罪の評決を受けたトランプ前大統領が11月の大統領選で勝利すれば、アメリカ経済とアメリカ企業が頼りにしている法制度を根底から覆す可能性があると主張した。
では、ビジネスリーダーたちはなぜ、自分たちを破滅に導く可能性のある人物を支持するのだろうか？ ホフマン氏によると、一部の人間は、トランプ前大統領は ｢正常で、コントロールできる｣と自分に都合のいいように考えている。
また、トランプ前大統領よりも、バイデン大統領の方がアメリカ経済にとって危険だと信じている人間もいるという。ただ、株式市場、石油・ガスの生産、雇用、経済成長率はバイデン政権下で好調を記録していることから、これは見当違いだとホフマン氏は指摘する。
他にも、"トランプ大統領"の誕生によって自分たちが新たな寡頭制の頂点に躍り出ると信じているビジネスリーダーもいれば、トランプ前大統領に忠誠を誓わなければ報復されると恐れているビジネスリーダーもいるとホフマン氏は説明した。
ただ、ホフマン氏によると、多くのビジネスリーダーが本当に望んでいるのは減税と規制緩和で、そのためなら公平な司法制度や民主主義を犠牲にしても構わないと考えているという。
"トランプ支持"を公言するビジネスリーダーは増えている。パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントのCEOビル・アックマン氏は11月の大統領選で、ビリオネアのネルソン・ペルツ氏と同様に、トランプ氏に投票する方向へ傾いていると報じられている。
ブラックストーンのCEOスティーブン・シュワルツマン氏やベンチャーキャピタリストのダグラス・レオン氏はすでにトランプ前大統領を支持していて、他にも10人以上のビリオネアたちがトランプ氏の選挙キャンペーンに資金を注入している。
イーロン・マスク氏はトランプ前大統領を明確に支持してはいないものの、X（旧Twitter）で前大統領を擁護していて、バイデン大統領に投票する可能性は低いと述べている。
