MSと契約締結、サム・アルトマンも出資する核融合発電スタートアップに話を聞いた

左からヘリオン・エナジーの共同創業者のクリス・ピール(Chris Pihl)CTO、のデビッド・カートリ―(David Kirtley)CEO、研究部長のジョージ・ボトル―ベック(George Votroubek)。

左から、ヘリオン・エナジーの共同創業者のクリス・ピール(Chris Pihl)CTO、のデビッド・カートリ―(David Kirtley)CEO、研究部長のジョージ・ボトルーベック(George Votroubek)。

Helion Energy

  • ヘリオン・エナジーは、2028年までに核融合によって大量の電力を���産したいと考えている。
  • マイクロソフトは、ヘリオン・エナジーから4万世帯分の電力に相当する50メガワットの電力を購入することに合意した。
  • ヘリオンの最高事業責任者(CBO)が、同社が核融合エネルギーを生成する方法をInsiderに説明してくれた。

クリーンエネルギー企業のヘリオン・エナジー(Helion Energy)がIT大手のマイクロソフト(Microsoft)に核融合による電力を提供する契約を結んだ。

マイクロソフトは2023年5月、2028年までにヘリオン・エナジーから50メガワットの電力を購入することに合意した。これは約4万世帯分の電力に相当する

OpenAIのCEOであるサム・アルトマン(Sam Altman)も、核融合エネルギーとヘリオン・エナジーの可能性に注目しており、「そこで何か起こるか非常に期待している」と以前語っている。アルトマンは2021年11月、シリーズEラウンドを主導して3億7500万ドル( 約525億円)を同社に投資した

ヘリオン・エナジーの最高業務責任者(CBO)のスコット・クリシロフ(Scott Krisiloff)は、「核融合エネルギーは、電力を大量に消費するデータセンターへの電力供給に利用できる可能性がある」と、Insiderに語った。

しかし、核融合エネルギーに対する熱意と期待とは裏腹に、それを生産するのは信じられないほど難しい。特に核融合発電に必要な温度まで上げるのは困難だ。ヘリオンは、その温度に到達できる技術を構築した最初の民間核融合企業であると主張している。

「人口が増加し、より多くの情報とインターネットへの接続が必要になるにつれて、エネルギー需要も同様に増加している」とクリシロフは言う。

ヘリオンの7つ目の核融合エネルギー試作機「ポラリス(Polaris)」で使用される電磁コイル。

ヘリオンの7つ目の核融合エネルギー試作機「ポラリス(Polaris)」で使用される電磁コイル。

Helion

クリシロフによるとヘリオンは現在、2024年に完成予定の7番目の試作機「Polaris(ポラリス)」の開発に取り組んでおり、同機は核融合によって電力を生成する初めての試作機になるという。

「核融合は我々が毎日利用しているもので、我々のエネルギーはすべて何らかの形で核融合に遡る。だが、我々は地球上でそれを利用して電力を生成していなかった」

核融合エネルギーは長さ12メートルの管の中で生成される

核融合反応は2つの原子が1つになるときに起こるもので、太陽やその他の恒星がエネルギーを生み出す方法だ

ヘリウム3は、ヘリオンのプラズマ加速器で重水素を融合することによって生成される

ヘリオンは水に含まれる水素の一種である重水素とヘリウム3を、長さ 40 フィート(約12メートル)のチューブに入れて反応させる。摂氏1億度に達するまでこれらの素材を圧縮するのだ。

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