日本テニス協会(JTA)は6月13日に国際テニス連盟(ITF)からの通知を受け、テニス・グランドスラムを4度制覇し、出産を経て今シーズンから本格的なツアー復帰を果たした女子シングルスの大坂なおみと、リオ2016男子シングルスで銅メダルに輝く錦織圭が開幕まで50日を切ったパリ2024出場権を獲得し、それぞれがオリンピック出場の意向を示したことにより、日本代表に内定(※)した旨発表した。
テニス女子シングルス日本代表の大坂は、母国開催となった東京2020でオリンピック初出場を果たし、その開会式では聖火リレーの最終ランナーも務め、世界中の注目を集めた。2023年1月には、妊娠と競技活動からの一時休養を発表した大坂は、同年7月に第1子を出産。それからわずか3ヶ月後の同年10月には、トレーニングを再開した様子の動画を自身のインスタグラムに投稿し、ママアスリートとして育児と競技活動の両立に取り組んでいる姿が大きな話題となった。
2024年1月より本格的にツアーに参戦して復帰を果たした大坂は、2度のチャンピオンに輝く全豪オープン2024をはじめ、全仏オープン2024など、グランドスラム大会に出場し、母となってのカムバックを果たす。閉幕したばかりの全仏オープン2024では1回戦を突破し、2回戦では全仏3連覇を達成したイガ・シフィオンテク(ポーランド)と当たり敗戦。しかし、大坂が先にマッチポイントを取るなど、その強さを見せつけたことが話題となり、母となって出場するパリ2024での大坂の活躍に期待が寄せられる。
男子シングルス代表の錦織は、北京2008でオリンピック初出場を果たすと、3度目のオリンピック出場となったリオ2016で銅メダルに輝き、シングルスでは96年ぶりとなるオリンピックメダルを日本にもたらした。
東京オリンピック以降は、怪我に悩まされ手術なども経験し、長期離脱を余儀なくされた錦織だったが、2023年6月に復帰戦として出場した下部ツアー(ATPチャレンジャー)で優勝するなど復活を印象付ける。その後、ATPツアーへの参戦を果たしたものの、ふたたび怪我の影響で離脱。今シーズンに入ると、3月のツアー大会にエントリーし、パリ2024テニスの会場にもなるスタッド・ローラン・ギャロスで行われた全仏オープン2024にも出場した。とくに、全仏オープン2024では4時間にも及ぶ熱戦となった1回戦を突破したことで、世界中からの脚光を浴びた。
パリ2024テニス・シングルスの参加枠数は、男女それぞれ64選手となっている。国内オリンピック委員会(NOC)あたり最大4人(男女それぞれ)という条件を踏まえた上で、世界ランキングの上位56名へITFより出場権が与えられる。このほか、開催国枠やITF枠、ユニバーサリティ枠などでパリ2024にクオリファイした選手が決まる。
なお、クオリファイした選手の中から辞退があった場合は、出場枠の再配分により圏外だった日本人選手が繰り上がる可能性がある。また、今回の発表では、出場圏内に入ったダブルスの日本人ペアはいなかった。
※オリンピック代表選手に関しては、各国内オリンピック委員会(NOC:日本の場合、日本オリンピック委員会/JOCを指す)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。
パリ2024は、7月26日に開幕する。
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