史上初めて、ミレニアル世代のゲーマーがカトリック教会の聖人として列せられることに

福者カルロ・アクティスがミレニアル世代で初の聖人に

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いずれはこうなる運命だった。カトリック教会が史上初めて、ゲーマーを聖人として認定する準備を進めている。

今回、ローマ教皇庁は、2006年に白血病により15歳で死去したイタリアのカルロ・アクティスを列聖する予定であると発表した。アクティスはミレニアル世代として初めてカトリック教会の聖人となる予定だ。

1991年にロンドンで生まれたアクティスは、その後家族とイタリアのミラノへ移住した。カトリックの信仰のなかで育ち、ホームレスへの支援や地域のごみ拾い、地元教会の手伝いを頻繁に行うなどの親切を施してきた。

さまざまな趣味とともに、アクティスはビデオゲームも楽しんでいたようで、「Halo」や「スーパーマリオ」、「ポケットモンスター」などをプレイしていたという。母親によると、8歳のときにPlayStationを購入したが、依存症にならないようにゲームは週に1時間だけと自分で決めていたそうだ。テクノロジーに精通し、自身がデザインしたウェブサイトにさまざまなカトリックの奇跡を記録していたことから、「神のインフルエンサー」と呼ばれていた。

A tapestry featuring a portrait of Carlo Acutis is hang at the St. Francis Basilica during the beatification ceremony of Carlo Acutis, on October 10, 2020 in Assisi, Italy. Photo Credit: Vatican Pool/Getty Images
2020年10月10日、イタリアのアッシジにあるサン・フランチェスコ聖堂でカルロ・アクティスの列福式を行った際に掲げられた彼のタペストリー。写真:Vatican Pool/Getty Images

アクティスはここ数年、聖人になるための複数のプロセスを経てきた。列聖にはしばしば数年、あるいは数十年を要することもあり、通常は候補者が信仰に生きたことを証明するとともに、少なくとも2つの奇跡を起こしていなければならない。だが、アクティスは親しみやすく若い世代のカトリック教徒からの人気が高いこともあって、彼の活動は多くの人に受け入れられている。

列聖のための手続きは、彼の死からわずか6年後の2012年から開始された(5年間の待機期間が必要とされている)。2018年に��者となり、その2年後の2020年にはカトリック教会が彼の起こしたとされる1つの奇跡を認めて列福された(福者となった)。伝えられるところによれば、先天性の重い疾患で正常に食事をとることができなかったブラジルの少年が、母親がアクティスにとりなしを祈ったことで治癒したという。2つ目の奇跡は、頭部に外傷を負ったコスタリカ人の少女が、母親がアクティスの墓に祈ったことで治癒したそうだ。

2つの奇跡が教会に認められ、アクティスは列聖されることになった。2025年に聖人となる可能性が高いようだ。

注目したいのは、ミレニアル世代が聖人になるのは今回が初めてであり、(私たちが知る限りでは)ゲーマーが聖人になるのも初めてという点だ。これは、列聖の難しさや所要時間の長さが一因であり、その結果、ほとんどの聖人が死後数十年から数百年後に列聖されている。今回のケースでは、アクティスの若さとカトリック若年層の間での人気が、若者やデジタルネイティブ世代とのつながりを築こうとする教会の継続的な取り組みに役立つかもしれない。

※本記事はIGNの英語記事にもとづいて作成されています。

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