Googleは、ChromeにおけるサードパーティCookie廃止を再び延期すると発表した。正直なところ、わかりきっていたことでもある。
この発表は、Googleによる一連のCookie廃止プロセスに監視と審査の目を光らせている英国競争・市場庁(CMA)の四半期報告に先立って、4月23日におこなわれた。
2020年から数えて、3度目の廃止延期
Googleがプライバシーサンドボックスの公式サイトに掲載した声明によると、「我々は、業界、規制当局、開発者からの多様なフィードバックを調整するにあたって継続的な課題があることを認識しており、エコシステム全体と密接に関わり続けていく」という。
また、CMAが市場の関係者らに対して6月末までに提出するよう求めている、プライバシーサンドボックスのテスト結果を含む、すべての証拠を検討するにはかなりの時間が必要になる点も懸念事項として挙げており、今年の第4四半期後半までにCookieの廃止を完了することはないと述べている。
Googleが2020年1月に設定した当初の期限を延期するのはこれで3度目だ。当初Googleは、ネットサーフィンを楽しむユーザーのセキュリティを強化するため、Cookieを「2年以内」に(段階的に)廃止すると約束していた。しかしそれ以来、同社はすでに2度ブレーキを踏んでいる。
そしてそのたびに、広告業界の関係者たちは多くの「もし」「しかし」「かもしれない」に囲まれながら、ともかくよくわからない「なにか」に備えて準備をしてきた。今年1月、Googleがブラウザのトラフィックの1%にあたるCookieを段階的に廃止したときにも、「いつ、これより重大な変更が起こるのか」という疑問が生まれていた。[続きを読む]
Googleは、ChromeにおけるサードパーティCookie廃止を再び延期すると発表した。正直なところ、わかりきっていたことでもある。
この発表は、Googleによる一連のCookie廃止プロセスに監視と審査の目を光らせている英国競争・市場庁(CMA)の四半期報告に先立って、4月23日におこなわれた。
2020年から数えて、3度目の廃止延期
Googleがプライバシーサンドボックスの公式サイトに掲載した声明によると、「我々は、業界、規制当局、開発者からの多様なフィードバックを調整するにあたって継続的な課題があることを認識しており、エコシステム全体と密接に関わり続けていく」という。
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また、CMAが市場の関係者らに対して6月末までに提出するよう求めている、プライバシーサンドボックスのテスト結果を含む、すべての証拠を検討するにはかなりの時間が必要になる点も懸念事項として挙げており、今年の第4四半期後半までにCookieの廃止を完了することはないと述べている。
Googleが2020年1月に設定した当初の期限を延期するのはこれで3度目だ。当初Googleは、ネットサーフィンを楽しむユーザーのセキュリティを強化するため、Cookieを「2年以内」に(段階的に)廃止すると約束していた。しかしそれ以来、同社はすでに2度ブレーキを踏んでいる。
そしてそのたびに、広告業界の関係者たちは多くの「もし」「しかし」「かもしれない」に囲まれながら、ともかくよくわからない「なにか」に備えて準備をしてきた。今年1月、Googleがブラウザのトラフィックの1%にあたるCookieを段階的に廃止したときにも、「いつ、これより重大な変更が起こるのか」という疑問が生まれていた。
薄々わかっていたさらなる遅延
この経緯を踏まえると、Googleの「最新の遅延」は、多くの人々にとって驚くべきニュースではないだろう。うっかり驚いた人がいたとしても、悔やむことはない。Googleは何カ月も前から、「2024年末までにChromeからサードパーティクッキーを排除する」と説いていたのだから、信じるのも無理はないのだ。
しかも、その約束にもかかわらず、期限を守る可能性は日に日に低くなっていた。1月にCMAが計画を進める前に対処すべき39の「懸念」を提起した後ではなおさらだ。さらに、英国のデータ保護機関である英国個人情報保護監督機関(ICO)が4月初め、Cookie廃止に対して独自の懸念を表明したことで、事態はますます複雑になる。
そもそも、Googleが提案するCookieの代替手段(プライバシーサンドボックス)には多くの不満が残されており、さらなる遅延は避けられない状況だった。
CMAの広報担当者は、「GoogleがCookieの廃止のタイミングを明確にしたことを歓迎する。これにより、業界のテストの結果を評価し、残っている問題を解決する時間が確保されるだろう」と述べ、こう続けている。「一連コミットメントのもと、GoogleはCookie廃止を進める前に、私たちが示していた残りの競争上の懸念を解決することに同意した。ICOと緊密に協力し、2024年末までにこのプロセスを完了させることを期待している」。
Googleは2025年から廃止に着手と表明
今のところ、GoogleはCookieを排除する計画の最新の終了日として2025年を想定しているようだ。
「私たちはCMAおよびICOと緊密に連携し続けることに専念しており、今年中にそのプロセスを結論付けることを望んでいる」とGoogleの声明にはある。「年内に合意に達することができれば、来年初めからサードパーティCookie廃止を進めることを想定している」。
言うまでもなく、広告業界は誰もその言葉を真に受けていない。
DIGIDAYが実施した最新の調査に回答した、46人のマーケターからの回答でも明らかだ。調査では、彼らにCookie廃止のタイムラインについての考えを尋ねたところ、回答者の39%が2025年の第2四半期以降になると信じている一方で、26%はGoogleが今年の終わりまでにChromeからCookieを排除すると信じていると答えた。
「CMAの関与と事件の重大さを考えると、このニュースは驚くに値しないが、最終的にはやはりフラストレーションが残る」と、AIを活用したアテンションプラットフォームであるImpact Mediaの創業者兼CEO、ウェイン・ブロドウェル氏は述べている。
「しかし、この状況をいつもの時間的猶予などど考えるべきではない。アテンション指標やマーケティングミックスモデル、計量経済学などの簡単に陳腐化しない非Cookie依存メソッドに注力し、それをメディアバイイングにつなげることは、広告主が競争上の優位性を創出するうえでもっとも確実な方法だ。進歩的で洗練された広告主にとっては、Cookie廃止がいつであれ、速度を落とすべきではない」。
[原文:Google delays third-party cookie demise yet again]
Seb Joseph(翻訳、編集:分島翔平)
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