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ネットワーキング

ネットワーク パフォーマンスの解読: TCP と UDP のバルクフローのベンチマーク

2024年7月4日
Sumit Singh

Senior Product Manager

Rick Jones

Network Software Engineer

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※この投稿は米国時間 2024 年 6 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Google Cloud ネットワーキング チームは長年にわたり、お客様のネットワークの構築、修正、強化の支援に深く携わってきました。その間に、ネットワークのパフォーマンスと効率を最大限に高める重要なパターンやベスト プラクティスを発見しました。この豊富な知見は、ただの理論的なリソースではありません。Google Cloud、クロスクラウド、オンプレミス、その他のクラウド プロバイダなどデプロイ先を問わず、お客様のビジネス目標達成を支援するよう設計された実用的なツールキットです。Google はこの専門知識を共有する���とで、リソースを浪費し、貴重な時間が無駄になるような手痛いミスをお客様が回避できるようにしたいと考えています。

この目標のもと、ネットワーク パフォーマンスとベンチマークのベスト プラクティスに関するホワイトペーパー シリーズを発表することになりました。その第 1 弾をこのたび公開いたしました。これらのホワイトペーパーで紹介している知見は、複数のクラウドにまたがってエンドツーエンドの接続を行うクロスクラウド ネットワークで特に重要となります。他にも要因はありますが、クラウド固有のさまざまな Linux ディストリビューションや異なる VM の帯域幅上限などが、パフォーマンスに劇的な影響を与える可能性があります。

今回公開する内容

1 弾では、伝送制御プロトコル(TCP)と User Datagram ProtocolUDP)のバルクフローをベンチマークする際のベスト プラクティスを取り上げたホワイトペーパーをご紹介します。ネットワーク パフォーマンスの最適化において、バルクフローの構成はとても重要です。とはいえ、優れた構成とはどのようなものでしょう。ネットワーク データ伝送に TCP UDP のどちらを使用している場合でも、これらのホワイトペーパーはお客様の環境でバルクフローを適切に構成するのに役立ちます。

Considerations When Benchmarking TCP Bulk FlowsTCP バルクフローをベンチマークする際の考慮事項)

ネットワーク内の 2 つのエンドポイント間で TCP データ伝送をベンチマークすると、予想を下回るスループットが示されることがあります。それはなぜでしょうか。また、どう対処すべきでしょうか。このホワイトペーパーでは、Linux ネットワーク スタックのデフォルト設定を微調整することで、TCP バルクフローのデータ伝送パフォーマンスを改善できる一般的な状況をご紹介します。

Considerations When Benchmarking UDP Bulk FlowsUDP バルクフローをベンチマークする際の考慮事項)

このホワイトペーパーは、上述の TCP バルクフローのホワイトペーパーの姉妹編で、2 つのシステム間で UDP バルクフローのパフォーマンスをベンチマークする際に考慮すべき重要事項を明らかにしています。UDP データ伝送ベンチマークを実行して予想を下回るスループットが示されたことがある場合は、このホワイトペーパーを読むことをおすすめします。  

Measuring Cloud Network Performance with PerfKit BenchmarkerPerfKit Benchmarker によるクラウド ネットワーク パフォーマンスの測定)

パフォーマンスとベンチマークのベスト プラクティスに関する有益なホワイトペーパーに加えて、PerfKit Benchmarker によるクラウド ネットワーク パフォーマンスの測定に関するホワイトペーパーも最近更新されました。PerfKit BenchmarkerPKB)は、クラウド パフォーマンス ベンチマークのためのオープンソースのツールキットで、従来のパフォーマンス ベンチマーク ツールを使用するよりも迅速かつ簡単に、再現可能で包括的なネットワーク パフォーマンス ベンチマークを実施できます。PKB は、ネットワークの設定、VM のプロビジョニング、テストの実行、結果の収集とパッケージングを行い、テストをさらに効率化します。しかも、BigQuery とのインテグレーションにより、優れた自動レポート作成と分析が可能となっています。

PKB は、サービス プロバイダ間のパフォーマンスを同一条件で比較し、クラウド プロバイダの選択、ワークロードのデプロイ、既存のデプロイのスケーリングについて、データに裏付けされた決定を下せるよう、お客様を支援します。PKB は、産業界と学術界の両方でパフォーマンス ベンチマークに活用されています。Google は引き続き、PKB コミュニティの成長をサポートし、PerfKit Benchmarker コードベースに貢献するようコミュニティに働きかけていきます。以前からあるこのホワイトペーパーの最新版については、こちらをご覧ください。

ネットワーク パフォーマンスに関するインサイトをさらにお届け

上述のリソースは、ネットワーク パフォーマンスの透明性、オープンソース ツールの有効化、そしてネットワーク パフォーマンス ベンチマークのためのオープンなナレッジ エコシステムの実現に対する Google のコミットメントの一部です。これらのホワイトペーパーで使われている例は Google Cloud のものですが、考え方は Google Cloud に特化したものではなく、Google Cloud 以外のデプロイにも役立ちます。

公開済みおよび今後公開されるすべてのホワイトペーパーは、こちらのウェブページからご覧いただけます。

これらのリソースがネットワーク パフォーマンスの最適化とトラブルシューティングのニーズに役立ちましたら幸いです。次回の「ネットワーク パフォーマンスの解読」ブログ投稿では、ネットワーク パフォーマンスに関するその他のホワイトペーパーについて最新情報をお届けします。

 

-シニア プロダクト マネージャー Sumit Singh
-ネットワーク ソフトウェア エンジニア Rick Jones

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