Generative AI App Builder とは、自社の IT システムや顧客向けに、独自の ChatGPT のような AI ツールを構築するためのサービスです。Generative AI App Builder を使用すれば、機械学習についてのスキルが十分ではない人でも、Google の検索技術を活用しながら簡単に自社用の生成系 AI を作成できます。
Generative AI App Builder の主な機能は、「Conversational AI」「Enterprise Search」の 2 つに分けられます。詳しく見てみましょう。
Generative AI App Builder を使用すれば、このような課題を解決できます。Conversation AI では、メールやチャットでの会話、ウェブサイト、ドキュメントなどの大規模で複雑なデータを取り込み、これらの情報を合成し、問い合わせに対する自然な文章での回答をその場で生成します。結果として、質問者にとってより自然で意図に合った回答がスムーズに得られるようになります。
さらに Conversation AI は、サードパーティのアプリとサービスに接続することも可能です。これにより、チャット上で請求書支払いなどのトランザクションを実行したり、必要に応じて人間のエージェントと繋げたりなど、情報以上の経験を提供することも可能となります。
Enterprise Search
2 つ目は、Enterprise Search です。これは企業の顧客や従業員向けの IT システムで活用できる会話型の検索機能です。
Generative AI App Builder を利用すれば、このような高度な検索機能を、コーディングの知識がない人でも数分から数時間で構築できるようになります。
Generative AI App Builder が解決する課題
このような Generative AI App Builder が解決する課題は多岐にわたります。ここでは、具体的な活用例について 2 つ紹介します。
カスタマーサービス業務の AI 化
1 つ目は、カスタマーサービス業務への活用です。
例えば、オンラインショップのカスタマーサービスに Generative AI App Builder を利用すれば、顧客が「注文を変更したい」と希望した場合に、チャットボット上だけで他の適切な製品に注文を変更するようアドバイスしたり、実際にそ��トランザクションを実行したりできます。人間がやるべき��とは製品��画像�����ップ��ードすること�����で、それ以降の処理は AI に任せられます。
実際に、アメリカの大手百貨店 Macy’s は Google Cloud の AI 機能を使用することで、1 回の訪問あたりの収益増加を実現し、コンバージョン率の面で大きな成果を上げています。このように、Generative AI App Builder をカスタマーサービス業務に活用することで、顧客エンゲージメントと業務の生産性の向上の両方を期待できるのです。
2 つ目は、「Generative AI Studio」です。これは、基盤モデルを簡単に調整・デプロイできるようにするための機能です。具体的には、��ャットインターフェースやプロンプトの調整などの機能が備わっています。単純なプロンプトであれば意図した回答を得やすいものの、複雑な命令だと適切な回答が得られない場合もあります。Generative AI Studio を利用すれば、モデルのパラメーターを調整し、複雑な質問に対する回答の質を向上させることが可能となります。
AWS、Azure、IBM の競合製品
Google Cloud だけでなく、各クラウドが生成系 AI の開発ツールを発表しています。ここでは、AWS、Azure、IBM における Generative AI App Builder の類似サービスを紹介します。
AWS「Amazon Bedrock」
AWS では「Amazon Bedrock」という生成系 AI 開発のツールが提供されています。Amazon Bedrockでは、簡単に生成系 AI アプリケーションを構築するための 4 種類の基盤モデルが提供されています。