上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0最後の怒涛の伏線回収、SF要素が光るBL
2023年7月24日に日本でレビュー済み
執着攻め×やんちゃと真面目を足して2で割ったような受け。
宮緒先生のいつもの執着攻めです!この作家さんが好きな方にはもはやこの説明だけで充分では?「大将、いつもの!」って言っていつものやつが出てくる感じです。うんうんこれが好きなんだよなぁ〜。
本作はSF要素も強く、なんちゃってSFではなく思ったより設定が練られていたのでびっくり。とはいえそこまで本格派じゃないのでBLのいいアクセント程���でまとまってます。
攻めと受けは仲の良い幼馴染。幼少期にとある事件で攻めが行方不明になってしまい、そのことをずっと気に病んでいた受けが大人になってから攻めが消えた森へと再び足を踏み入れるところから物語が始まります。
異世界×タイムリープ×カルト宗教など色々な要素が混ざっているのにストーリーが複雑にならず芯がハッキリしていて読みやすい。何冊も出している作家さんなので文章もこなれていてスッと頭に入ってきます。
個人的には恋愛描写をもう少しじっくり書いてほしかった。攻めと受けの惚れた腫れたが早いこと早いこと。その代わり濡れ場はねっとりなのでエロ重視の人にはいいかもしれない。
あとはまあ、BLに出てくる女キャラって本当にクソ女率高いなとか、最後に本当に神様が出てきて驚いたとか、そんな感じです。攻めのセリフと同じ言葉を神様が呟いていたのでてっきり攻めの先祖か何かかと思ったんですが、後書きを読む限り違うみたいですね。宮緒先生は現時点で全然決めてないみたいですが、神様とその恋人のスピンオフも書こうと思えば書けそうな終わり方だったな。
正直、最後の攻めの怒涛のネタばらしがなければふーん…で終わっていたと思う。時折挟まれる別の世界線の描写はそういうことだったのか!とアハ体験できます。やっぱり宮緒先生の執着攻めは腹黒くなきゃね。☆3。